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言語化力 三浦 崇宏(SBクリエイティブ)

言語化力 言葉にできれば人生は変わる

言語化力 言葉にできれば人生は変わる

  • 作者:三浦 崇宏
  • 発売日: 2020/01/22
  • メディア: 単行本
 

1.戦略とは
(1)戦いを略すこと、すなわち戦わないで勝つ方法を考えること
(2)(無駄な)努力をできる限りしないための努力のこと(できるだけ努力しないで勝つ方法を考え抜くこと)

2.言葉を因数分解する
(1)気持ちから自然に出たシンプルな言葉のままでは、相手に真意が伝わらない
 例:「仕事がうまくいかないんです」「頑張ります」「よかったです」
 →大雑把でありがちな便利な言葉で片付けてしまうと、そこで思考停止し、その先どうするか見失ってしまう
(2)うまく言語化するには、言葉を因数分解する(細分化、具体化)
 例:「仕事がうまくいかないんです」
 ①ここでいう仕事とは何か?(会社の人間関係?現場の作業?)
 ②うまくいかないとは?(上司が嫌い?仕事量が多すぎる?アイデアが出ない?)
(3)相手に伝える言葉の場合
 ①相手の気持ちを考えた言葉で相手に伝わるだけではダメ
 ②相手がこの言葉を聞いたら、どう動くか、行動がどう変わるかまで考えて言葉を編集すること

3.悩み続けるのは無駄
(1)「悩む」とは
 なんとなくわからないままグズグズすること
(2)悩んでると思ったら、言葉に出して因数分解して次の行動を明確にすること

4.直感の理由を言語化する
(1)直感とは
 これまでの人生で経験してきた様々な価値判断の集積をベースにし、
 それを現在の脳を総動員して最速で出した結論
(2)直感で決めてもよいが、その理由を自分の記憶や感情を思い出し、掘り下げておくこと
 ①相手に説明するには「直感です」とは言えず、言葉の後付けが必要となる
 ②自分の頭だけにある情報の断片を積み重ねて、論理化する力が「ビジネス」となる

5.人を動かす言葉のポイント
(1)目的を明確にする
 例:ただ「動け」ではダメで、「鬼を退治に行こう」まで具体的に言うこと
 →ただし、目的(ビジョン)は理想の姿であるため数値化してはいけない
(2)目的に向かうプロセス(目標)を明確にする
 例:ただ「走れ」ではダメで、「10km先まで5人で走ろう」まで言えば目的達成しやすい
(3)主語は複数にする
 例:ただ「やれ」ではダメで、「一緒にやりましょう」

6.交渉
(1)AあるいはBの何れかだけではなく、AとBの間には無限の交渉の余地がある
(2)Manageとは
 ①AB間にある無限のグレーゾーンの中から解決策を見つけて、グレーゾーンの状況で何とかやりくりすること
 ②交渉結果が10対0だとトータル10だが、6対6ならトータル12と増えている(妥協でなく止揚と考える)
(3)相手のメリットを見つけ出してあげること
 自分のメリット(例:夫が欲しいゴルフセット)の中に
 相手のメリット(例:妻は休日の食事の世話が不要となる)があることを強調する