2013年以前のブックレビューも随時追加中

2030年の世界地図帳 落合 陽一(SBクリエイティブ)

1.SDGs達成状況(2019年7月)
 1〜10位全てヨーロッパ、11位ニュージーランド、15位日本、18位韓国

2.年間平均労働時間
 (最も労働時間少ない)ドイツ(1400時間以下)、日本(約1700時間)、アメリカ(約1800時間)、韓国(約2000時間)

3.ジニ係数
(1)日本は比較的低い(格差が小さい)36位(32.1)
(2)南アフリカ南アメリカの一部が高い
 南アフリカ(1位、63.0)、ブラジル(9位、51.3)

4.高齢の貧困率
(1)1位韓国(43.8%)、6位メキシコ、7位オーストラリア、8位アメリカ、11位日本
 韓国は、年金制度の不備が原因
(2)日本の生活保護受給世帯のうち47.4%が高齢者

5.子供の貧困率
 1位南アフリカ、5位スペイン、7位アメリカ、8位メキシコ、10位ギリシャ、17位日本

6.性別格差が小さい国
 1位アイスランド、2位ノルウェー、3位スウェーデン、110位日本

7.大学進学率(OECD
 オーストラリア(96%)、アメリカ(74%)、韓国(71%)、OECD平均(62%)、日本(51%)、
 イタリア(49%)、ドイツ(42%)

8.相対的貧困率(OECD)
(1)日本の所得中央値244万(2015年調査)の半分である年収122万以下を相対的貧困という
 ①年収122万以下は全人口のうち15.7%(約6人に一人が貧困層)と多い
(2)アイスランド(約5%)、フランス(約8%)、ドイツ(約11%)、韓国(約17%)、アメリカ(約18%)
(3)ギグ・エコノミー(ネットを通じた一度限り、短期の仕事
 労働単価は低く、福利厚生、保険、有給もない
(4)日本のひとり親世帯の相対的貧困率は50%以上(アメリカでも35.8%なので飛び抜けている)

9.限界費用と所有
(1)最初の一つの商品から無限にコピー(=デジタルテクノロジー)できると、限界費用はほぼゼロに近づいていく
(2)スマホのアプリ、レコード、CDといった媒体の「所有」意識は希薄化し、「共有」が浸透する

10.デカルトかつベイトソン(原子論かつ全体論的に)
(1)例:貧困の原因
 ①要因別に考えたり、先進国と途上国の二項対立で捉えるだけではダメ
 →AかBかといった二項対立でなく、AでもありBでもある事を容認しながら検討をすすめるのが大切
  ②生活環境、人間関係といった社会構造全体でも捉えてみる

11.デジタルかつアナログ
 デジタルで網羅した方法論自体、不完全であるため、アナログから得るインスピレーションを大事にすること

12.短期かつ長期
(1)この1年が100年後どう影響を及ぼすか(演繹的思考)
(2)100年後のあるべき世界から逆算された1年を模索する(帰納的思考)

13.理念と空気
(1)ヨーロッパのような近代的理念に囚われすぎない
(2)空気(中心を持たない人間関係のネットワーク)のように現実解を阿吽の呼吸で探り当てる柔軟性を使う
 →ただし、場当たり的にならないように、日本は過去の歴史から学ぶ必要あり