人の心は一瞬でつかめる ジョン・ネフィンジャー、マシュー・コフート(あさ出版)
1.人の評価基準
(1)強さ(自己主張)
能力の高さ、物事を成し遂げる意志の強さ
(2)温かさ(感受性コントロール)
人が集まってくるような優しさや親近感
(3)アメ(温かさ)とムチ(強さ)いずれも必要
2.強さと温かさのバランス
(1)テストステロン(強さ)は、オキシトシン(温かさ)の分泌を阻害する働きがある(両者でバランスを取っている)
(2)強さと温かさのタイプ
①強さはあるが温かさがない:嫉妬や恐怖を感じるだけ(例:ダース・ベイダー)
②強さはないが温かさがある:同情(哀れみ)を感じるだけ
③強さもなく温かさもない:軽蔑される対象
④強さもあるし温かさもある:称賛される対象
(3)強さだけでなく温かさを失わない
①「怒り」でなく「毅然とした態度」を示す(例:ユーモアを入れつつも毅然と反論)
②「仲間への思い」を示す
③弱々しさを超える温かさを示す(強い温かさ)
(4)対話中のポイント
①影響力:会話の主導権を握る「強さを発揮した話し方」
②模倣:相手の行動パターン(話し方だけでなく、うなずく動作等も含む)をまねる
③一貫性:声のトーン、ペース、ピッチ、ボリュームをあまり変動させない
(5)つなぎ言葉と語尾上げは避ける
①つなぎ言葉(例:え〜、あの〜)の克服法
→話の合間の沈黙に慣れること
→重要なセンテンスを言う前や後に一呼吸を置く
②平叙文なのに疑問文のように語尾を上げると
これで合ってますか?といった自信のなさ、弱々しさが伝わる
→語尾上げで話してしまったら、次のセンテンスで語尾を下げ、一呼吸置いて問いかけに答えた形をとる
3.強さをもたらすレトリック
(1)メタファー(隠喩)とアナロジー(類推)
例1:良い→状況は上向きつつある(「良い」をメタファーしている)
例2:2008年のリーマンショックは1929年の世界恐慌を通じて理解できる(アナロジー)
(2)三段論法
(3)反復
例1:「I have a dream」(キング牧師)
例2:「all for one and one for all」
(4)押韻
例1:頭韻(例:rock'n' roll
例2:脚韻(例:quicker picker-upper)
(5)引用
誰かの名言を引用する
4.相手の「輪」の中に入る方法
(1)相手と同じ目線で深く共感する
(2)相手に感情移入する(相手の価値観を受け入れ、相手の立場で考え、気持ちを理解する)
(3)相手のフラストレーションの原因を理解する
(4)ユーモアのある物語で相手に話しかける