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理性の限界 高橋 昌一郎(講談社現代新書)

 

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

 

1.選択の限界
(1)コンドルセパラドックス
 勝ち抜き戦の順番を変えると順位も変わる
 →例:ジャンケンの3人だと最後の参加者が必ず優勝する
  ①グーvsチョキを1回戦とすると、2回戦がグーvsパーとなりパーが優勝
  ②パーvsチョキを1回戦とすると、2回戦がチョキvsグーとなりグーが優勝
(2)囚人のジレンマ
 ①TFT(ティット・フォー・タット)(ラパポート)
  3行プログラムで最強(初回は協調し、次回は前回の相手と同じ、以下繰り返すだけ)
 ②ナッシュ均衡
  どちらのプレーヤーも裏切るのが最適
(3)チキン・ゲーム
 ①両者共に裏切ると最悪(例:米ソ冷戦からの核保有国同士の構造)
 ②ナッシュ均衡
  何れかのプレーヤーがゲームを降りるのが最適
 ③社会的チキン・ゲーム(例:救命ボートから誰か一人降りないと全員死亡)
  集団的合理性(誰かが犠牲になる)と個人的合理性(自分以外の誰かが犠牲になる)は完全に一致しない

2.科学の限界
(1)ラプラスの悪魔(機械論的決定論)
 ある時点の宇宙全ての原子の位置、速度を知れば、その後の未来全て予測できるという考え方
(2)光速度不変(相対速度が不成立)(マイケルソンとモーリーの実験)
 ①地球の南北方向と東西方向で光速度不変を確認
 ②東西方向に考慮すべき地球の公転速度(30km/s:光速の約10万分の1)を考慮しても、変わらなかった
(3)ハイゼンベルク不確定性原理
 ミクロ(距離の短いもの)を観測するには波長の短い電磁波が必要
 しかし、電磁波長を短くするほどエネルギーが高くなり、観測対象の位置を乱してしまう
(4)EPRパラドックス
 2つの光子間で光速を超えた情報交換が観測された

3.知識の限界
(1)ゲーデル不完全性定理
 どんな完全なシステムでも決定できない問題(命題)が、そのシステム内部から生まれる
 →例:ナイト(彼らの発言は全て真)とネイブ(彼らの発言は全て偽)の住人問題
  ①「私はナイトでない」発言はどちらの住人か決定できない
  ②ナイトでありネイブでもある者がいない事の証明はできない
(2)自然数論にある証明も反証もできていない命題
 ①ゴールドバッハの予想(4以上の偶数は素数の和である)
 ②奇数の完全数があるかどうか
(3)ランダム性(無作為、不規則、予測不可能)
 ①直感的に理解できるが、数学的に定義できない
 ②nビットのシステムでは、nビットより長いコードのランダム性は証明できない
  →システムにインプットした以上のランダム情報はアウトプットできない

大放言 百田 尚樹(新潮社)

 

大放言 (新潮新書)

大放言 (新潮新書)

 

1.「やればできる」はできないのと同じ
(1)根拠のない自信だけあるバカ
(2)俺はまだ本気を出していない、俺がやることでないと思ってるバカ

2.「誰もわかってくれない」は誰も知らないのと同じ
(1)自分が思ってる自分でなく、周囲の評価が本当の自分
(2)普段の行動で相手がどう感じているかが全て(自分がどう感じているかは他人には関係なし)

3.ほとんどの人は嫌いな仕事を生活のためにやっている
(1)すべての人が自分の好きな仕事だけやっていたら、社会は回らない
(2)好きな事で金をもらうのは厚かましい

4.尊敬する人は両親というバカ
 両親を尊敬するのは当然、かつ話題が個人的過ぎ

5.なんでもコスパで考えるバカ
(1)世の中にはコストで測れないもの(料理の味、店の雰囲気、車の乗り心地等)が多くあることを知らない
(2)結婚、出産など全ての人生をコスパで考えるバカ

6.広島の原爆慰霊碑の自虐的な碑文((われわれ日本人は)「過ちを繰り返しませぬから」)
(1)GHQWGIPにより、広島に原爆が落とされたのも日本人のせいとなっている
(2)公式見解では碑文の主語は「世界人類」となっている

7.図書館と著作権
(1)ヨーロッパでは公共貸与権(図書館が貸し出したことによる制作側への損失補てん)制度あり
(2)日本は映画には著作権側に補償金を払っているが、書籍にはなし

8.チャリティー番組の障害者ドキュメンタリーの作り方
(1)障害を持ちながら、頑張って何かに取り組んでいる人を探す
(2)どんな障害か映像を見てすぐにわかる障害者がよい
(3)重い障害がよい(ただし、深刻すぎるのはダメ)
(4)大人より子供、男性より女性がよい
(5)取り組んでいる事にドラマ性(音楽、芸術関係)があるとよい

9.こびとプロレス
 テレビ放送できなくなり(自主規制?)、小人のプロレスラーの多くが失業した

10.憲法改正
(1)第2次大戦後、アメリカは18回、フランスは24回、ドイツは58回憲法改正している
(2)日本同様、ドイツも連合国軍に憲法を押しつけられたが、その後50回以上改正している

11.スイスとルクセンブルク
(1)スイス
 ①侵略されるとなったら、最後は国内のあらゆる施設(発電所、ダムなど)を焦土化して侵略国には何も与えない
 ②民間人に小銃が支給され、ゲリラ戦の戦い方が書かれた本を配布
(2)ルクセンブルク
 ①19世紀に非武装中立を唱えたが、二つの大戦で国土蹂躙された
 ②第2次大戦後は徴兵制を敷き、NATOにも加盟

小飼弾の「仕組み」進化論 小飼 弾(日本実業出版社)

 

小飼弾の 「仕組み」進化論

小飼弾の 「仕組み」進化論

 

1.仕組み作りの20%ルール
(1)既にある仕組みを使う仕事(レッドオーシャン)は20%でこなす
(2)残り80%を新たな仕組み作り(ブルーオーシャン)を考える時間に当てる

2.安全性を確保する仕組み
(1)働く時にのみ確実に動き、不要な時は動かない
 ①エアバッグは急ブレーキの時のみ作動すべきのため、通常ブレーキと急ブレーキのしきい値テストが重要)
 ②サーバルームにパトライトを付けたが、トラブルといえないささいな状況でも点灯するのは本末転倒 
(2)わざと壊れる
 ①想定外のインプットに対し、処理自体シャットダウンさせる(続けることによる被害拡大を防ぐ)
 ②一定以上の電流が流れたら電流自体を止めてしまう(ヒューズやブレーカー)(過電流断で本体回路は守る)
 ③インターネットの中庭(DMZ)を作り、NW侵入被害を局所化
(3)自動化
 バックアップのような必要だが面倒な作業は自動化する

3.会社、組織が生き残るための仕組み(生物の仕組み)
(1)個体、細胞単位では最適化させない(非効率なシステム)
 ①何万個も卵を生む、腸の上皮にある膨大な細胞を使い捨て(数日で入替)
 ②人間の受精卵は、魚類、両生類、爬虫類に似た形態を取り、最後に人間の形を作って生まれてくる
(2)一度作った仕組みは(たとえ失敗でも、使わなくなっても)捨てない
 ①T型フォードは最適化し過ぎた(単一車種の大量生産)ため、環境の変化に対応できなかった
 ②間違った記録(いつどのように間違ったか)も残しておけば、後のトラブル対応に役立つ
(3)できることだけ行い、できないことは無視する
 ①DNAに対し、やってくるRNAの塩基は全くバラバラ(アトランダム)だが、決まった相手としか反応しない
  →例:G(グアニン)はC(シトニン)のみキャッチする
 ②突然変異(健康な人でも癌細胞1000万個)は免疫系が除去する

4.グーグルが作った仕組み
(1)仕組みを残すための仕組み(情報蓄積)そのものを不要化させた
(2)情報検索エンジンの提供により、利用者は情報分類整理が不要となった
(3)言語化できない技術(職人の技)を残す仕組みはできていない
産業ロボットなどで一部実現
(4)検索エンジンに合わせた記録方法が必要になる
検索しやすいキーワード、タイトルをいくつも埋め込む(内容をまとめ過ぎると検索できなくなる)

5.遺伝子(gene)と意伝子(meme)
(1)遺伝子(gene)
 ①親から子しか伝わらない
 ②遺伝が良いものか悪いものかは、その後の個体環境でしか判明しない
(2)意伝子(meme)
 ①血の繋がらない他人同士でも情報伝達できる
 ②遺伝子より伝達速度が早い(遺伝子はせいぜい80年の一生のうち2〜3人)

6.創発的な仕組みの作り方
(1)遠くを見過ぎない
 今できること、今いる場所(自分にしか見えないもの)を最大限に活かす
(2)仕掛品を事前に作って準備しておく
 ①あと1ピースで完成という所まで考え抜いておく
 ②最後のチャンス(1ピース)が来た時、すぐに行動&実現できる

7.生産効率とリソース効率
(1)生産効率重視(従来型)
 ①モノを大量生産するには、少人数で多く働かせたほうが高効率
 ②少人数で生産できてしまうと、働かない(働けない)人が増える
 ③働かない(働けない)人は低賃金もしくは非雇用となるため、生産したモノを購買(消費)できなくなる
 ④モノの供給過剰、過多となる
(2)リソース効率重視
 ①現状あるリソース(ヒト、モノ)を最大限活かすやり方を考える(例:ワークシェアリング
 ②全員が働く仕組みとすれば、少数で行うより生産性はダウンするが、生産したモノを全員で消費することができる

8.多様性と集合知(働かないアリの効用)
(1)集団に働かないアリが2割いる
(2)働かないアリはエサを集める、運ぶという通常の仕事はヘタ(非効率要員)
(3)働かないアリは、働きアリが行動しない場所をウロウロするため、働きアリが見つけられない新しいエサ場所を発見しやすい

9.PJ型企業
 書籍や映画製作ではフリーランスがグルーピング(例:○○製作委員会)され、作品完成すると解散する形が増加

いよいよ歴史戦のカラクリを発信する日本人 ケント・ギルバート(PHP研究所)

 

いよいよ歴史戦のカラクリを発信する日本人

いよいよ歴史戦のカラクリを発信する日本人

 

1.WGIP(War Guild Information Program)
 GHQが作ったWGIP共産主義者が実施

2.コミンテルン
(1)世界の共産化を目指し、1919年にレーニンが創設
(2)敗戦革命論(資本主義国同士対立させ、敗北した方を共産化させる)

3.報道の自由度ランキング(2015年発表、国境なき記者団
(1)日本は72位(韓国より下)
(2)ただし、国境なき記者団はフランス右派支持母体であり、反日

4.私戦予備罪
(1)2014年シリアのISに加わろうとした日本人に適用した刑法
(2)西南戦争の頃、制定したため今回100何十年振りの行使となった

5.スイスとドバイ
(1)長年、世界の金融センターとなっているスイスは外部から攻撃されにくい
(2)テロリストの資金や武器調達場所となっているドバイは、外部から攻撃されにくい

6.NHKワールド
 ぶりっ子英語(ハワイFMアナウンサーのような田舎臭い、媚びて甘えるような発音)

暴力団 溝口 敦(新潮社)

 

暴力団(新潮新書)

暴力団(新潮新書)

 

1.現在の清水次郎長
現在6代目で山口組の二次団体

2.規模
(1)構成員3万6千人、準構成員4万2千6百人(2010年現在)
(2)新宿・歌舞伎町だけで、組事務所は100ヶ所

3.収入源
(1)覚醒剤
 1パケ(ビニール小袋で0.3g)で1〜2万円
(2)みかじめ
 例:名古屋の錦三(きんさん)(錦三丁目)2000軒の99%が払っている
(3)解体と産廃処理
 ①60年代に建てられたビルの建替ピーク(2020〜2040年)まで需要が多い
 ②アスベスト石綿)があるため(1975年に禁止)、解体作業は通常手間がかかる
 ③外国人にアスベスト引剥がしを安価でやらせ、不法投棄している

4.指詰め(断指、エンコ詰め)
 元々は江戸時代、遊女が行った(客に自分の愛情、誠意を示すため)

5.組抜け
 ホームレスから名前、戸籍購入して、別人として生きる元組員もいる

6.日本の暴対法
(1)暴力団の存在自体は認めている(違法としていない)が、
  取り立て、地上げなど経済行為自体には中止命令が出せる法律
(2)暴力団の存在自体は認めている(違法としていない)法律は世界中でも日本のみ
(3)存在は認める事で、警察が暴力団との腐れ縁(岡っ引き)を復活させたかったと推測
 ①江戸時代の公認警察は与力、同心まで
 ②岡っ引きは非公認で、博徒テキ屋を使用することもあった
(4)暴力団構成員が減ると、警察、刑事の予算が減り、捜査員が失職してしまう

7.芸能・スポーツと興行
 戦前からグズリ押さえ(不平客を力で押さえる)や場内整理は地域の暴力団に任せていた