「やめる」という選択 澤 円(日経BP)
1.人生の埋没(サンク)コスト
(1)支出した固定費コストのうち、どんな意思決定(中止、撤退、白紙化等)をしても回収できない費用のこと
(2)せっかく「○○」したのだからという考え方自体がサンクコスト
例1:せっかく「いい大学に入った」のだから
例2:せっかく「いい会社に入った」のだから
例3:せっかく「ここまで同じ仕事をしてきた」のだから
(3)サンクコストのデメリット
当時と同じ考え、価値観に縛られ、自分をアップグレードしていく(=成長させる)意識がなくなってしまう
(4)「使っていないのに捨てられないもの」もサンクコスト(思い出品は除く)
例1:着なくなったコート
→せっかく「高い値段を無理して買った」のだから
例2:読まない本、使っていない電化製品
→せっかく「買った」のだから
例3:勉強しなかった資格取得の教材
→せっかく「揃えた」のだから捨てるのはもったいない
2.過去の経験をスキル化させる(=サンクコスト化させない)方法
(1)複数の経験(具体化スキル)を掛け合わせる
①組み合わせ方がオリジナル(ユニーク)でセンスがある程よい
→センスのある組み合わせ方は机上では身につかない(体験するしかない)
②1つ1つのスキル自体は、世界一である必要なし(組み合わせ方のセンスが重要)
③卵かけご飯(卵+ご飯+醤油)の定番組み合わせだけで留まっていてはいけない
→プラスのトッピングに何を載せるかトライ&エラーを繰り返してみること
④和風たらこスパゲティ(イタリアンパスタに日本のたらこ+海苔+醤油)のような組み合わせがハイセンス
→できるだけ距離の離れた(イタリアと日本)異なるものを組み合わせるのがポイント
普段から視野を広く持つこと
⑤本当に好きなものを複数持っておくことが大切
(2)スキルのない人でも、その状況を逆手に取る方法
①うまくいかない、失敗したことを記事、コンテンツにして発表する
②自分をオープンにする(自分の失敗、恥ずかしいことを報告する)と
それを読んだ人は何かコメントを返したくなる(返報性の法則)
③トライ&エラーのプロセス、それ自体を丸ごと公開してみること
3.仕事がデキる人
(1)短い時間でフレキシブル(柔軟)に判断できる人
(2)作業スピードが早いのではなく、作業の意味(目的)を徹底的に考え、最大限の効率化、簡略化を判断して短時間化できる
(3)フレキシブルな判断
①やらなくていいこと(例:会議、報告書作成等)を決める
→いきなり廃止、不参加が難しいなら、自動化(例:アジェンダ作成)の仕組みを考える
②自分が不得意なことは人に任せる
→自分の向いていない仕事を無理やりやらされていてはいけない
→昔は、向いてない仕事を効率悪く作業していても会社に一生面倒見てもらえた
→終身雇用、年功序列が崩壊した現代は、自分の得意な分野に身を置くのが自衛手段としても絶対必要
4.モノ・お金・時間の使い方
(1)豊かな時間を使っているかどうかが判断基準
(2)お金を使ってモノを買った場合、それが豊かな時間を生み出すかどうかがポイント
5.アップグレードの判断基準
(1)アップグレード(シフトチェンジ)するかしないかの判断基準は「後悔するかどうか」
(2)やり続けて後悔するなら、やめてみる
(3)やらずに後悔するなら、やってみる(→やって失敗したら、後悔でなく反省すれば良い)
6.才能とやりたいこと
才能(やれること)があっても、それがやりたいことでなければ、
仕事に生かしてもただの「やらされる」作業になってしまう