2013年以前のブックレビューも随時追加中

孤独を生き抜く哲学 小川 仁志(河出書房新社)

1.ポジティブな孤独(EASE)
(1)E(extend yourself)自分を広げる
(2)A(action plan)行動計画
(3)S(selection)選別
(4)E(expect)期待する 
 →自分の世界を広げ、具体的な行動計画を立て、人間関係の量でなく質を求めるよう期待する

2.孤独の効用
(1)反省、反映(reflection:自分を見つめる)ができる
 ①物事の意味を自分の心に反映させて、考えてみること
 ②誰かが言った事をそのまま鵜呑みに受け止めてはいけない
(2)物事(世の中)の本質がわかる
 ①自分の時間があり、楽しむことができているかどうか?
 ②時間に追われ、自分の時間がないと本質がわからなくなる
(3)生き方が見えてくる
 自分(個性)を磨き、生き方(仕事)が見えてくる
(4)やるべきことが見えてくる
 ①無理やり理想を求めることをやるべきことだと考えないこと
 ②人生は理想と現実が折り重なっている
  →理想を追い求める時もあれば、現実を粛々と生きるべき時もある(物事にはタイミングがある)
(5)幸福をもたらす
 心をじっくり落ち着けないと心の充足(=幸福)は得られない

3.エリック・ホッファー
(1)創造にとって最適な状況とは
 人々にまじって生活しながら、しかも孤独でいること
(2)創造の原動力とは
 ささいな、だが持続的ないらだちに対するおだやかな反発を持つこと

4.ブレーズ・パスカル
(1)一人孤独になって、自分を変えるべきだとポジティブに考えたほうが、満足や心の平静が得られる
(2)自分の外の世界(=時間や空間)に目を向け、うまくいかないと嘆いても仕方がない

5.フリードリヒ・ニーチェ
(1)一人でいることを許すこと(他者と比較して、嘆いたり憐れんだりしてはいけない)

6.老子
(1)孤独になって物事を減らせば増えるものもあり、増やせば減るものもある
 ①増えるもの:自分の分前(食べ物、時間、考える時間等)
 ②減るもの:他者が持つ権力(トップに権力集中すれば、他メンバへの権力は減る)

7.バートランド・ラッセル
(1)常に刺激のある人生などない(人生に退屈な時間はつきもの)
→刺激ばかりの人生では刺激に麻痺してしまう
(2)退屈な時間をどう過ごすかで人生の偉大さが決まってくる

8.和辻哲郎
(1)今の社会で完全に一人孤独になって物事を考えることは無理
(2)一人で思索しているといっても、必ず共同作業のしがらみが出てくる
 ①過去に話した他者の言葉、誰かと経験した思い出、社会での役割を自分が背負っていることなど
 ②孤立して思索をしていても、それがそもそも一種の共同作業となっている

9.アルトゥル・ショーペンハウアー
(1)孤独でないと完全な自由は得られない(人といると自由ではない)

10.マルクス・アウレリウス
(1)人は疲れたら海や山(自然)よりも、自己自身の魂(の中)に引きこもるのが一番寛げる
(2)引きこもるとは、自分を再生させるために休息をとること

11.ユヴァル・ノア・ハラリ
(1)瞑想することで孤独な時間を過ごす
(2)瞑想で何も考えないことが、本当の自分を知るための一つの方法