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バグトリデザイン 村田 智明(朝日新聞出版)

バグトリデザイン 事例で学ぶ「行為のデザイン」思考
 

1.不都合(=全てバグ)の種類
(1)非効率
 例:サイトのユーザ登録時に登録内容が多過ぎてタイムアウトしてしまう
(2)迷い
 例:ゴミ分別方法が自治体毎に異なる
(3)矛盾
 例1:禁煙エリアを選ぶと、落ち着かない入口付近しかない)
 例2:レジ袋は元々廃油(ポリエチレン)を再利用する知恵だった
    エコバッグは廃油より貴重な精製油(ポリエステル)を使って生産している
 例3:太陽電池が廃棄されるまでに必要なエネルギーが多く、発電での回収メリットが少ない
 例4:水の豊かな日本へ石油燃料のタンカーで欧州の水を運ぶ
 例5:点字ブロックで躓いてしまう
(4)負環(負のスパイラル)
 例:室外機の排熱により都市全体の空気が温まり、さらに冷房を強めてしまう
(5)心理
 例:乗り物の肘掛け(2人で一箇所だとどちらが使うかで心理的せめぎあい)
(6)誤認
 例:車と歩行者の交差点での譲り合い(歩行者が止まってくれるだろうと思っている車がいるため危険)

2.バグの原因因子
(1)プロセス
 手順の中にある間違い
(2)属性
 個人の違い(性格、年齢、立場等)からくる考え方、思い込み
(3)慣性
 マナー、癖等の習慣、後天的経験
(4)記憶
 記憶のしにくさ(例:人の顔と名前、引き出しに入れた小物)
(5)環境
 時間や空間の変化(例:夜になると見にくくなる案内表示)
(6)不適正
 プラン、デザイン、設計自体が元々マッチしていない