2013年以前のブックレビューも随時追加中

図解ストレス解消大全 堀田 秀吾(SBクリエイティブ)

1.朝
(1)朝起きたら、楽しかった記憶を1分間思い出す(ケンブリッジ大 アスケルンド)
 ①ストレスホルモン(コルチゾール)が最大となるのが朝
 ②思い出すのは朝1回だけ(何度も思い出すと、記憶障害、認知症との関連あり)
(2)ジョギング(東京大 リュー)
 ①走る衝撃でセロトニンが活性化
 ②1週間続けると、その後走るのを止めても72時間以上1週間までは効果が持続
(3)認知的不協和
 ①自分が思っている状態(理想)と実際に起きている状態(現実)のギャップからくる葛藤
 ②事実は一つだが、解釈は無限に広がる(ネガティブに考えすぎない力が必要)
(4)イフゼン・プランニング(ニューヨーク大 ゴルウィッツアー)
 やってはいけない誘惑に駆られた時、クールダウンさせるための台本をあらかじめ用意しておく
 →例:もし「チョコレートが食べたい」と思ったら、「その場でスクワットを10回しないといけない」
(5)青空を見上げる(大阪市立大 水野)
 ①青色は集中力向上とストレス抑制(コルチゾール減少)効果あり
 ②青空を背筋を伸ばして(姿勢をよくして)見上げるとよい(テストステロン増加、コルチゾール低下)

2.仕事中(AM)
(1)あいさつをする(カンザス大 エドワーズとジョンストン)
 ①あいさつ(をする事)にはスランプはない
 ②挨拶の意味:「挨」はこころを開く、「拶」は近づいていくの意味がある
  →他者との心の距離を縮め、「あなたの敵ではありません」と示している
(2)うるさ過ぎず静か過ぎない場所で作業する(イリノイ大 ミータ)
 ①騒音(85デジベル)の刺激はコルチゾールを増やし、食欲が増え(=太り  )、睡眠の質が下がる
 ②静かな環境(50デジベル)よりも適度な雑音(70デジベル)が創造性パフォーマンス向上(例:カフェ店内や新幹線車内)
(3)とりあえずやってみる(ボストン大 サミュエルソンハーバード大 ゼックハウザー)
 ①作業の開始が一番やる気がでないのは、現状維持バイアスがはたらくため
  →何かを始める=安定した現状を変える=損失、コストと考え、回避しようとする
 ②ただし、脳には一度行動を始めるとのめり込んでしまう性質もある
  →とにかく何か行動を始めると、やる気のスイッチ(側坐核)が入る
(4)ひとり言を言う(トロント大 チュレット、インズリクト)
 ①自分の行動を声に出すだけで、衝動的な選択ミスが減る(セルフコントロール能力が向上)
 ②目標に向かう時は「やるぞ!」と言うより、「やれるかな?」と自問自答した方がよい

3.お昼休み
(1)デフォルト・モード・ネットワーク
 ①ボーッとする(瞑想、深呼吸でもよい)事で脳をアイドリング状態(ただし平常時の15倍の働きがある)にする
 ②複数の脳領域間のネットワークで、神経活動を同調させている
(2)仮眠(NASA ローズカインド)
 ①30分以内の仮眠はパフォーマンス向上させる
 ②5分ほど目を閉じるだけでも(脳のα波がでるため)効果あり

4.仕事中(PM)
(1)ガムを噛む(アイルランド大 アレンとスミス)
 脳の血流を上げ、ワーキングメモリが回復する
(2)かわいい写真を見る(広島大 入戸野)
 1分程度見ると集中力が増し、やる気が出る
(3)三人称で話す(ミシガン大 モーザー)
 ①自分のことを彼と言いながら話す(例「彼はイライラしているよーだ」)
 ②自分を客観視でき、感情を抑えることができる
(4)仕事(アイデア出し等)は、あえて切りの悪いところでやめる(ツァイガルニク)
 ①途中中断した方が記憶が深く残り、次に再開する時もアイデアが広がりやすい
 ②人生の決断時では、中途半端(選ばない、やらない)でなく完了(選択する、やる)させた方がよい
 →やらないままだと後悔が長期化する(やった後、後悔したとしても短期的)

5.人間関係
(1)怒りを覚えたら10秒待つ(ノースウェスタン大 フィンケル)
 怒りが発生しても、4〜6秒で前頭葉が抑え始める
(2)怒りを覚えた瞬間に左拳を握る(テキサスA&M大 ピーターソン)
 ①右前頭部には怒りを回避(恐怖反応)、左前頭部は怒りに関連した活動をしている
 ②左手を強く握ると右前頭部が活性し、怒りの感情が起きにくくなる(アンガーマネジメント)
(3)セルフ・ハンディキャッピングをしない(ニューヨーク州立大 アロン)
 謙遜のし過ぎや自虐的発言は好感度を下げる
(4)ネガティビティ・バイアス
 ポジティブな言葉がたくさんあっても、たった一つネガティブな言葉があると注意が向き、記憶に残りやすい
(5)モード性格論(立命館大 サトウ、帯広畜産大 渡邊)
 ①人は3つのモード(一人称、二人称、三人称)の性格を使い分けている
 ②一人称的性格(自分が自覚している性格)
 ③二人称的性格(家族や友人の前で示す態度や行動)
 ④三人称的性格(職場や父親といった役割、肩書上の性格)
(6)傍観者効果
 ①人数が多いほど「自分がやらなくとも他の誰かがやってくれる」と考える心理的作用
 ②例1:街頭で人が倒れている時→誰もいない時は自ら助ける
 ②例2:街頭で人が倒れている時→周りに大勢の人がいると、(誰かが助けるだろうと思い)結果として誰も助けない
(7)能力でなく努力をほめる(コロンビア大 ミューラーとドウェック)
 ①「頭が良いね」ではなく「毎日勉強してるなんてすごいね」とほめる
 ②能力(結果)よりも努力(プロセス)をほめられると、その努力をもっと続けようと思うようになる

6.夜
(1)不安を書き出す(南メソジスト大 ペネベーカー)
 ①何もしないと大脳辺縁系にある不安が取り除かれない
 ②前頭葉を使って不安を書き出すと、余計なこと(不安)を考えなくなる
 ③不安が取り除かれるとワーキングメモリも改善され、パフォーマンスが上がる
(2)ネガティブな感情も受け入れる(ポンペウ・ファブラ大 クオイドバック)
 ①全体性(ホールネス):100%ポジティブな感情でなく、20%の時間はネガティビティを感じて有益に使えると良い
 ②幸せをポジティブに追求だけしていても、長期間維持できない(時にはネガティブな感情が湧き上がっても受け入れること)
(3)他人と比較しない(テルアビブ大 アラド)
 ①社会的比較:人は自己評価するために他人と比較したくなってしまう
 ②他人という数人のサンプルからは偏った比較しかできない
(4)睡眠を8時間とる(ラッシュ大 カートライト)
 ①ノンレム睡眠(浅い眠り)で情報を整理し、レム睡眠(深い眠り)で情報を統合する
 ②レム睡眠を確保するには8時間以上の睡眠が必要

7.休日
(1)森林浴(ミシガン大 ハンター)
 1日20分週3回、自然に触れる散歩でよい
(2)ガーデニング千葉大 池井)
 机やテーブルの上に観葉植物を置くだけでも良い
(3)週に1回、まとめて5つ良いことをする(カリフォルニア大 リュボミアスキー
 脳が馴化するため、毎日(一日一善)よりも、ボランティアはたまにまとめて行うのが良い