大人げない大人になれ! 成毛 眞(新潮文庫)
1.ポリティカル・コレクトネス
(1)あらゆる偏見を排除し、公平な表現を行う
(2)現代の若者は、ポリティカル・コレクトネスに終始し、言葉のテクニックだけ
→周りの仲間同士互いに言質を取られないようにしている(一言でも失言すると叩くマスメディアの言葉狩りに近い状態)
2.人の個性は言語化できない
(1)問題(取り組むべき課題)に良いも悪いもない
(2)幸福も不幸もない、ただ単にやるという事実に取り組むこと
3.「空気」の研究(山本七平)
(1)「空気」の支配が日本で始まったのは、近代化進行期(明治以降)
江戸〜明治初期までは逆に「空気」に支配されることは恥と考える一面もあった
(2)いくつもの「空気」の積み重ねが後ろ盾となり、(太平洋)戦争に引きずり込んだ
無言の圧力で個人の考えを放棄してしまう風潮
悔いのない人生 齋藤 孝(SB新書)
悔いのない人生 死に方から生き方を学ぶ「死生学」 (SB新書)
- 作者: 齋藤孝
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2015/12/05
- メディア: 新書
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1.自殺とは実存主義にある被投的投企の究極の姿
(1)被投的(人は皆、自ら選んで生まれてきたわけでなく、突然この世に放り出された存在)
(2)投企(自分の意志で何をするか主体的に行動選択できる)
2.メメント・モリと禅の死生観の違い
(1)メメント・モリは死を想え(死を意識して今を生きる)
(2)前の死生観は今この現在をかけがえのないものとして生きること(死を意識していない)
(3)今この瞬間はこれまでの過去の積み重ねで起きていて、その連鎖は永遠に続いていく(ニーチェ)
→今この瞬間が肯定できるのならば、過去の人生全てを肯定してよい
3.呼吸と死
(1)7つ呼吸するうちに覚悟を決めること(葉隠)
(2)アナパーナサチ(釈尊の呼吸法)で息をゆっくり、長く緩く吐く事で悟りが得られる
(3)一回一回の呼吸で邪念を吐く(古く汚れた気を出す)と無(=死)を意識できる
→息を吐ききって止まった瞬間に「無」が訪れる
4.養生と元気
(1)養生(生を養う)とは、生きている時間の命を上手に過ごす(養う)こと
(2)人生を生と死の二項対立で考えない(無理せずほどほどにやりくりして命を養う)
(3)元気とは、心身二元論(心と身体を分けて考える)で考えず、両方一体で考えて活力がみなぎっている状態
→「気」とは心と身体を繋いているもの
5.内欲と外邪
(1)内欲
飲食、好色、眠り、言いたい放題+七情(喜、怒、憂、思、悲、恐、驚)という欲望
(2)外邪
外からやって来る風、寒さ、暑さ、湿りという邪気
→内欲を慎めば、外邪を跳ね除けやすくなる
6.三楽
(1)孟子:一家の無事息災、心にやましいことなし、教育(才能を育てる)
(2)列子:人間として生まれ、男子として生まれ、長生きする
(3)貝原益軒:善を楽しみ、健康、長生き
7.悟り(正岡子規)
(1)いかなるときも平気で生きること
(2)死ぬこと自体は、誰でも訪れることであり、大した問題ではない
8.究極の自己防衛(フランクル)
(1)無感動により感情を鈍化させ、精神を自己防衛する
自分や周りにどんな虐待、悲劇があってもぼんやりとした状態で対応して精神を保つ
(2)目立たない行動を取る
集団の中に自分の存在を消す事で、監視の目から逃れる
9.究極の希望(未来に向けて行動すること)
(1)人生の意味を考えてはいけない
(2)今生きている事実(=人生)そのものが自分に何かを質問している(期待されている)のだと解釈すること
(3)常に人生そのものに自分が問われていると考えれば、未来に向けて何か行動せざるを得なくなる
10.プロテスタントと資本主義(マックス・ウェーバー)
プロテスタントは職業を神から与えられた天職(ベルーフ)と考え、
真面目に働き、無駄遣いしないことを良しとしたため、資本主義が発展した
11.心と精神
(1)心は一人ひとり持っており、移ろいやすい
(2)精神は、人々の間で共有でき、何年たってもブレないもの
相手の心を絶対にその気にさせる心理術 ゆうき ゆう(海竜社)
1.(シャット・ザ)ドア・イン・ザ・フェイス
最初に大きな頼みを(わざと)お願いして、次に頼む小さな頼みを依頼してOKをもらう
2.自己確認より自己拡大
(1)相手が今まで言われたことのある言葉をいくつ並べても、相手はそれを聞いて自己確認するだけ
(2)今まで言われたことのない言葉が(相手は新しい自分=自己拡大させられるため)相手に印象づける
3.ツァイガルニク効果
既に完成した物より未完成のものが印象が残る
(例1:SMAPは売れたが、忍者は売れなかった)
(例2:「続きはCMの後で」とした方が、その後の視聴率は高まる
4.トップレス・シークレット
バレたくない事をあえて相手の目の前にさらけ出して、相手を欺く
(例1:浮気をして帰ってきて、玄関で奥さんに第一声「浮気してきたよ!」)
(例2:ニセモノを買わせたい業者が客に「最近、同業者にニセモノを扱う人が多いので困ってます」)
5.スティンザーの(会議の)3原則
(1)敵対している人間は、正面に座る
(2)議長にリーダーシップが強いと、参加者は隣と話すようになり、
リーダーシップが弱いと、正面の人と話すようになる
(3)意見が出た直後は、その反対意見が出やすい
6.ダブル・キャスト
(1)交渉事(相手を説得する)は二人がかりで
一人が提案した直後、相手が反対意見を言う前にもう一人がたたみかけるように賛成意見を出す
(2)一人で交渉する場合、一人で二役すればよい
提案を出し、相手が反対意見を言う前にその解決策を出す
7.アンダー・ザ・サン
世の中の一般的なイメージや倫理上のマイナスをプラスに変える言い訳を与えてあげる
(例:インスタントコーヒーのマイナスイメージ(怠け者向け)→プラスイメージ(仕事も家庭も大切な時間にする進歩的な人))
8.鏡映的自己
(1)他人から見られている現実の自分(鏡映的自己)が、理想の自分とギャップがある(と自分で思っている人)ほど、他人の目を嫌う
(自分自身を客観的に見つめるという行為自体嫌がる)
(2)他人から見られる状況におかれると、イイ子ちゃん(自分がイメージした理想の自分)に近づけようとする
9.グランド・オーケストラ
第三者の意見も出して、相手にお願いすると相手は断りづらくなる
(例:○○部長も、君が適任だと言ってたよ)
10.心理的リアクタンス効果
禁止されたり、無理矢理押し付けられたりするほど、抵抗し、反対の行動を取ってしまう
(例1:「ここを見てはダメ」と言われるほど見たくなる)
(例2:「今日はいつものランチメニューはありません」と言われたとたん食べたくなる)
(例3:「限定100個です」と言われたとたん早く買いたくなる)
11.カチッサー効果(由来:テープレコーダーをカチッと押すと、無条件でサーと再生音が聴こえる気がする)
しっかりした理由・根拠がなくとも、ちょっとした理由を添えて依頼するだけで、相手は賛成しやすくなる
12.2枚のジョーカー
1つの提案をお願い(ベスト選択)するより、2つの提案のどちらがいいか(二者択一選択)で提案した方が、相手は答えやすい
13.認知的ケチ
自分が余り興味のないことについては、極力少ない労力で判断する
(例1:皆が食べにいく食堂だから食べに行く)
(例2:オリコン一位のCDだからとりあえず聴いておく)
14.同調効果
(1)相手の意見に同調したい場合、動作が相手と重なっていく
(2)相手の意見に同調したくない場合、退屈になり無意識に動作が停滞(うなづき、相づちの回数が減り、長さも少なくなる)
15.2トゥルース
真実は2つの言葉(2ワード)以上でないと返せない(一言「はい」「へぇ」の生返事は、相手が聞いてない可能性大)
(例:「そうかぁ、辛かったね」、「うんうん、それいいと思うよ」)
16.ダブル・バインド(二重拘束)
相反する2つのメッセージを伝えられると強く緊張する
(例1:この仕事をやったら1万円あげるけど、殴ります→相手は強い不安と緊張でどうしてよいかわからなくなる)
(例2:母親がどちらを選んでもいいよと提案しつつ、子供がどちらを選んでも母親が怒る→子供は精神分裂)
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毎日定時で帰っても給料が上がる時間のつかい方をお金のプロに聞いてみた!
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1.人生は3万円が一日1円ずつ減っていく
人生80年とすれば3万日のため、財布にある3万円が一日1円ずつ減っていく感覚を持つ
2.ムダ仕事のやめ方
(1)誰にも言わずこっそりやめること(上司に確認しても続けることを選択させられるだけ)
(2)やめた後に誰にも迷惑がかからなければ、本当にムダな仕事だったという事
(3)やめた後に空いた時間を使って得られた成果があり、人に説明できること
3.スタートダッシュ、ラストスパートはあえてしない(マラソン的に考える)
(1)スタートダッシュ(新年度、月曜日、朝一など)してもその後スタミナ切れで、トータルの仕事効率が下がる
(2)ラストスパート(年度末、月末など)で間に合わせるよりも、普段からスケジュール通り質を高めて仕事をすべき
(3)ダッシュすべきタイミングは、スタート、ラスト以外にもある(重要な仕事のタイミングでダッシュはすべき)
4.「どこで」仕事してもよいが、「いつでも」仕事をしてはいけない
仕事がやれる環境ならどこでやってもよいが、仕事をする時間は決めておくこと(メリハリをつける)
5.スキマ時間よりまとまった時間を作る
(1)質を高めたい仕事は1、2時間の集中できる時間を作って取り組むべき
(2)どうしても生まれるスキマ時間(通勤、移動中など)は使い方を決めておく(例:読書など)
6.ポモドーロテクニック
25分仕事、5分休憩のサイクルでタスクを進める
7.めんどくさい仕事の対処方法
(1)他人が面倒だが、自分は面倒でない仕事
他人に貢献できるポイントなので、率先してやる
(2)他人が面倒でないが、自分は面倒な仕事
他人(自分以外にできる人)に任せる
(3)他人も自分も面倒な仕事
本来はやめるべき仕事(例:形骸化した報告書、会議)
(4)他人も自分も面倒でない仕事
理想的(特に対処する必要なし)
日本史の謎は「地形」で解ける 竹村 公太郎(PHP文庫)
1.関ヶ原勝利後、家康がすぐに江戸へ戻った理由
(1)早く利根川の治水工事したかったから
(2)新田開発(新たに土地を作る)できれば、戦国時代のゼロサムゲーム(土地の取り合い)から脱却できる
2.信長が比叡山延暦寺を焼き討ちした理由
京都から見た鬼門(東北)の方角にある逢坂峠の向こうに比叡山があったから
3.頼朝が鎌倉に幕府を開いた理由
(1)安全(遠浅の海で海から攻められにくい、山側は常緑樹が覆う)
(2)清潔(その頃の京都周辺はスラム化し疫病蔓延、鎌倉は清潔な利水)
4.元寇が失敗した理由
日本の陸地が沖積平野(泥)で、モンゴルの騎馬軍団が進めなかった
5.半蔵門が江戸城の正門
(1)五街道(東海、中山、奥州、日光、甲州)のうち、甲州街道だけが半蔵門から江戸城に直結していた
(2)新宿通りは尾根道で安全
(3)服部半蔵は家康の命の恩人のため、名前が残った
6.徳川家が吉良家を抹殺した理由
(1)1300年代から300年間、矢作川の優位者(利水、治水の優先権)が吉良家、劣位者が徳川家だった
(2)征夷大将軍を世襲するため、家康以降100年間も朝廷との仲介役に吉良家が必要だった
7.吉原が日本橋付近から浅草へ移した理由
荒川の治水のため作った日本堤のソフトインフラ戦略だった
8.江戸時代まで日本の運輸上最も重要なのは船(水上交通)
9.京都が都になった理由
(1)日本海(大陸文明の玄関)から太平洋(雪が少なく生活しやすい)を短く繋いでいる濃尾(岐阜)に近い
(2)日本海から太平洋を繋ぐ途中にある琵琶湖は、濃尾でなく西に向かって下っており、船で移動すると京都にたどり着く