2013年以前のブックレビューも随時追加中

「働き方」の教科書 出口 治明(新潮社)

1.ロサダの法則
(1)3回ほめて1回叱るとモチベーションは維持される
 ①すぐ叱る(2回以下)とモチベーションが下がる
 ②更に良くなったら、6回ほめて1回叱るまで高めていく

2.アメリカの人口と教育
(1)人口増加
 現在3.2億だが、2050年には5億の見込
(2)教育
 ①世界の有名大学のうち半分がアメリ
 ②留学生80万人が年間200〜300万の授業料を払う
 ③留学生が大学院2年間通うのに、最低1千万必要のため、留学生80万人=8兆円産業となっている

3.日本の課題
(1)男女平等化(女性の社会進出)
 現在136カ国中105位(中国69位、インド101位より低い)
(2)農業
 ①日本の10%の国土がネーデルラントが世界2位(輸出額9兆円)(世界1位はアメリカ)
 ②日本は現在輸出額5千億円
(3)漁業
 日本は海洋面積加えると世界6位の広さ

シロクマのことだけは考えるな! 植木 理恵(新潮文庫)

シロクマのことだけは考えるな!―人生が急にオモシロくなる心理術 (新潮文庫)

シロクマのことだけは考えるな!―人生が急にオモシロくなる心理術 (新潮文庫)

 

1.ネガティブイベントの記憶率
(1)3ヶ月目までは80%記憶しているが、その後急速に低下(忘却)する
 →どんな辛い出来事も3ヶ月を超えると、だんだん忘れることができる

2.言語的隠蔽(verbal over-shadowing)
(1)無理やり言語化すると、自分の本当の感情、感覚にウソが混じってしまう
(2)ソムリエ(こんな味)、音楽家(こんな音)の微妙なニュアンスは、言語化せず、
  モワッとしたまま放置した方が、本質を掴むことに繋がる(正確な判断、表現ができる)

3.アメとムシ(無視)
(1)ムチ(叱る、怒る)は行わず、成功した時だけホメるとよい
(2)アメは5回に1回ナシにする(間欠強化)
 成功しても5回に1回はご褒美ナシにするとよい

統計数字を疑う 門倉 貴史(光文社新書)

統計数字を疑う?なぜ実感とズレるのか?? (光文社新書)
 

1.一世帯平均貯蓄残高(2005年)
(1)通常平均では1728万だが、メディアン(データを小さい順に並べた時の中央値)では1052万
(2)平均1728万以下の世帯が約三分の二を占めている
(3)モード(データをクラス分けして最も割合の多い最頻値)では200万以下(全体の4.1%が集中)

2.平均
(1)幾何平均
 ①増加倍率を平均化する時用いる(金利など)
 ②1年目に2倍(100万→200万)、2年目に8倍(200万→1600万)になった場合、
  平均(2+8)/2=5倍は間違い(2年で2*8=16=4*4だから平均4倍)
(2)調和平均
 ①時速や燃費等の平均を求める時用いる
  行き時速3km、帰り時速5kmで走った時、
  平均時速(3+5)/2=4kmは間違い(2/(1/3+1/5)=3.75km)
(3)加重平均
 ①日経平均株価
  ウエイトが同じため、5千〜1万円程度の値がさ株(ハイテク企業)の動きに影響されやすい
 ②東証株価指数(TOPIX)
  時価総額でウエイトしているため、時価総額の大きい銘柄(銀行、証券など内需企業)に影響されやすい

3.平均寿命
(1)今年生まれた人(0歳児)があとどれだけ生きられるかの平均(平均余命)
(2)平均寿命80歳として、今30歳の人が50年生きられるのが平均という訳ではない
(3)その年1年の年齢別人口と死者数で求めている

4.労働
(1)有効求人倍率
 ①近年では上振れしやすくなっている(実際はそんなに高くない可能性あり)
 ②有効求職者数はハローワーク登録者のみの人数のため、少なめに出やすくなった
 ③民間機関やネット登録の求職者が含まれていない
 ④失業者の77.3%しかハローワーク登録されていない
 (1980年では1人で複数登録もあるため、100%超だった)
(2)労働時間
 ①1980年2145.6時間、2005年1802.4時間
 ②実際は90年代以降、(労働時間の少ない)非正社員を労働時間に反映したため

5.犯罪
(1)刑務所収容率
 ①近年100%超の理由は治安悪化でなく、老人・ホームレス増加が原因
 ②ホームレス自体、50〜64歳が多く、刑務所収容者の多くが老人
(2)検挙率
 ①1990年43.3%だが、2001年19.8%、2005年28.6%と低下傾向
 ②凶悪犯検挙率は2005年65.3%と高い
 ③殺人罪検挙率は2005年96.5%と高い
 ④軽犯罪である刑法犯の8割を占める窃盗は2005年28.6%と低いまま
  →余罪も多く、全体の検挙率を押し下げている

6.国際
(1)GDPとGNP
 ①GDPは国別、GNPは人別の生産
 ②日本のGDPは国内(日本人+外国人含む)の生産
 ③日本のGNPは日本人全体(国内+外国在住含む)の生産
 ④海外での現地生産を増やしても、GDPには反映されない
(2)経常収支
 ①世界全体の経常収支(世界中の経常黒字と経常赤字を足す)がゼロにならない
 ②世界全体の経常収支は2000年で1783億ドル(約19.2兆円)、2005年で873億ドル(約9.6兆円)の赤字
 ③赤字は申告しても黒字分(利子所得)は全て申告されていないと推定(MITクルーグマン
(3)経常移転収支
 ①在日外国人の母国への送金等
 ②2006年の送金額1位ブラジル(208億円)、2位中国(189億円)、3位韓国(22億円)
 ③在日人口では1位韓国(29.8%)、2位中国(25.8%)と二国だけで半数以上占めているのにブラジルより送金額が少ないのはおかしい
  →地下銀行経由で送金している分が統計に出てこないため

マレーシア大富豪の教え 小西 史彦(ダイヤモンド社)

マレーシア大富豪の教え

マレーシア大富豪の教え

 

1.フェアネス
(1)自由主義で考える(何がフェアかを自分で決める事)
(2)謙虚である事
 自分がフェアだと思っていても、相手にとってはアンフェアかもしれない可能性を認識していること

2.華僑
(1)アヘン戦争以来の国家動乱で故国を追われたか、逃げ出してきた人が多い
(2)中国を祖国と思っていない(中国とビジネスはしても、住みたいという人はいない)
(3)住んでいる国(インドネシア等)であらゆる迫害を受けており、国家に属しているという根底の感覚がない
(4)税金(国家に支払う金)は無駄金と考えている

3.ビジネスの本質
(1)相手の得になる事を考え、提案する
(2)「得」を与えられれば、モノを売る必要はない
(3)交渉で腹の探り合いはしない(まず相手の「得」を考え、尊重した上で要望する)
(4)deal breaking line(絶対に譲れない一線)は交渉前に決めておく
 ①AプランだけでなくB、Cプランと最低3つのシナリオを決めておく
 ②代替案までは相手の要望を尊重するが、それを越えたら交渉決裂

4.失敗した時何をするか
(1)ダメージコントロール(損害の範囲、影響を最小限に抑えること)
(2)迷惑をかけない(自分よりもまず損害を受ける顧客、社員等をどうしたらいいか考えること)
(3)失敗の原因、責任の追求は後回しで良い

5.洞察力
(1)「あきらめずにやる」のと「(やり過ぎて)大失敗する」の紙一重を見極める力
(2)洞察力を身につけるには実体験を積む(往生際の悪さを失敗で学ぶ)しかない

6.楽観主義
(1)どんなひどい状況でも意思を持って、解決策を考え抜くこと
(2)何もせず座して幸運を待つのは楽観主義ではない

テレビの裏側がとにかく分かる「メディアリテラシー」の教科書 長谷川 豊(サイゾー)

1.耐震強度偽装事件の顛末
(1)姉歯一級建築士の設計したマンションは東日本震災で倒れなかった
(2)お台場近くにあるフジテレビ関係者在住マンションにある姉歯物件に1棟も壊れなかった

2.新型インフルエンザ(A型H1N1亜種)の顛末
(1)WHOの見解では毒性は強くないと結論

3.BSE騒動(狂牛病)の顛末
(1)WHOの見解では特定部位(異常性プリオン)以外は安全と結論
(2)アメリカで一頭感染牛が出ただけで、日本では大騒ぎ
 ①アメリカ国内の牛肉消費量は最初一旦減ったものの、その後増えた
 ②ドネーション(寄付)文化があり、困った人を助けるのがアメリカ気質
 ③日本では2004年輸入禁止としたが、翌2005年あっさり解禁

4.フジサンケイブループ
(1)お台場にカジノを作り、カジノ利権が欲しい(2014年1月現在)