2013年以前のブックレビューも随時追加中

日本人はなぜ存在するか 與那覇 潤(集英社インターナショナル)

 

日本人はなぜ存在するか 知のトレッキング叢書

日本人はなぜ存在するか 知のトレッキング叢書

 

1.日本の自殺率
(1)自殺率は1950年代に最初ピークがあり、1960年代に一旦落ち着いた
(2)男性の自殺率は1960年代から上昇傾向
(3)女性の自殺率は1960年代からほぼ横ばい
(4)一般に年齢が上がるほど自殺率は高まるため、高齢化している現代は自殺率は高まる傾向

2.有標(marked)と無標(unmarked)
(1)有標化
 わざわざラベリングして呼称するもの(例:畳は「日本の」文化だ)
(2)無標化
 既に標準、普通で当たり前のため、わざわざラベリングして呼称しないもの
 (例:欧米のリビングをわざわざ「フローリングの」リビングとは呼称しない)
(3)欧米とその他
 ①欧米ではフローリングが世界のスタンダートであり、畳は特殊(一段下がったもの)として価値付けされる
 ②スーツを欧米の民族衣装とは言わない
(4)黒人と白人
 ヒップホップを黒人音楽とは言うが、ベートーベンを白人音楽とは言わない
(5)女と男
 女流作家とは言うが、男流作家とは言わない

3.人間と神
(1)神は死んだ(ニーチェ
 ①神もまた人間と同じ再帰的な存在
 ②人間の意思で考えた理想(絶対的な神)を考えると、社会秩序維持に便利な手段、道具となる
(2)人間自体の探求放棄(フーコー
 そもそも何が人間らしい行為なのか自体決められない

4.不自由の種類
(1)選択肢の不在(例:テレビ自体がなかった事による不自由)
(2)選択肢の制約(例:テレビがあっても買えない事による不自由)
(3)選択肢の過剰(例:テレビ以外にもいろんな物があって選べない不自由)d

「仕事ができるやつ」になる最短の道 安達 裕哉(日本実業出版社)

 

「仕事ができるやつ」になる最短の道

「仕事ができるやつ」になる最短の道

 

1.仕事で一番偉い人
 最初に案を出す人

2.会社の仕事と行動
(1)スキルが高く自分から動ける人ほど、指示待ちになりがち
(2)スキルが低いほど自分勝手に行動しがち
→結果的に指示待ちが増え、一部の問題児のみ浮き上がる構造となる

3.会社の多様性
(1)画一性(1つの方向性)の成果しか上げていないと、売れなくなった時点で事業破綻
(2)現在、成果を上げていない人(組織)が能力を出せる方法(ビジネスモデル)は、成果を出している側の人間も考えておくべき

やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人 ケント・ギルバート(PHP研究所)

 

やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人

やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人

 

1.結果の平等主義は悪平等
(1)運動会の徒競走の結果に順位をつけないはおかしい
 結果が異なる事自体が個性であり、悪ではない
(2)民主主義における平等とは機会の均等(平等)性

2.愚民化政策とゆとり教育
 ゆとり教育は、有能な人間を粛清する毛沢東主義を思い出させる

3.日弁連
 歴代会長の多くが共産党系で反日(反権力)、左翼的

4.GHQ公職追放
(1)陸海軍所属の優秀な1,2流職業軍人を追放した
(2)残った三流が戦後一気に各業界のトップに立ってしまった(敗戦利得者)

5.分断統治
(1)欧米がアジア、アフリカ植民地化の際、使用した戦略
(2)対処国内の右翼、左翼どちらも支援援助して互いにケンカさせる事で、支配国へは反抗させない

6.メディア工作
(1)モッキンバード(他の鳥のモノマネが得意な野鳥)作戦
(2)政府の望む事をモノマネするように叫んでくれるマスコミ、メディアを作ること

7.火病ファビョン
(1)突然キレたり大声で泣き出す情緒不安定な人に対する韓国語での呼称
(2)国内が激烈な学歴競争社会である事のストレスが火病の一因となっている

8.韓国政府と反日

 国民の政府への怒りをガス抜きするため、政府は反日を煽ってきた

9.韓国の法律(国民情緒法

 事実、論理よりも感情が優先され、法律も情緒に左右されてしまう

(日本人) 橘 玲(幻冬舎)

 

(日本人) (幻冬舎文庫)

(日本人) (幻冬舎文庫)

 

1.タイ

(1)ほほえみ(イム)の国:13種類ある
(2)空気を読む(グレンチャイ):遠慮、気遣いの意味
 ①ただし、中間領域の人にのみ気配りは行う
 ②最も近い家族や逆に最も遠い他人にはどちらも気配りはしない(例:公共道路では、他人同士なので、交通ルールを守ろうとしない)
(3)出世する人:優柔不断な人
 他人との関係を最も大事にするため、誰とでも妥協ができる能力(=優柔不断)が最も重要
(4)契約、批判:タイ語には存在しない
(5)15〜19世紀まで全国民の地位が細かくデータ化されていた

2.西洋と東洋
(1)西洋では個人、論理重視
 世の中を曖昧性のない名詞で考える(全て物、個として分類する)
(2)東洋では集団、人間関係重視
 世の中を動詞で考える(全て出来事として関係性で分類する)

3.日本人の特徴
(1)国のために戦う気なし
(2)日本人としての誇りなし
(3)権力、権威を異常に嫌う
(4)強烈な世俗性(行動原理であるエトスが損得勘定)
(5)今が楽しければ良い
(6)空気(=世間)と水(=世俗)
 ①空気(世間体)
  世俗性の高い日本人をムラ社会の共同体で維持させるためのシステムが空気
 ②水(世俗)
  日本人が元々持っている徹底した個人主義(損得で考える行動原理)

4.自由貿易(分業)の原理
(1)比較優位の交換
 ①A君がXの仕事能力100、Yの仕事能力50あったとしても、BさんがXの仕事能力1、Yの仕事能力25なら、
  A君はX専任、BさんはY専任と分業した方がよい
 ②A君だけで仕事する場合、生産性(100×1/2+50×1/2=)75なのにA君とBさんが分業した場合、生産性(100×1+25×1=)125とアップ
 ③Yの仕事をA→Bに交換(分業)する事で、Aの出来高(75→100)、Bの出来高(0→25)共にアップ

5.福祉国家の福祉制度
 あくまで主権を持った国家(国境)の範囲内での国民にのみ与えられる差別的な権利

6.古代ギリシャがデモクラシー(全員一致でなく多数決)を獲得した理由
(1)地中海の地形、気候から農耕意外の遊牧、海運等、様々な民族が共生していたため
(2)農耕社会と異なり、全員一致でないため、イヤなら(ポリスから)退出可能な社会

7.チンパンジーの3つの正義(ルール)とフランス革命
(1)所有権(自由)のルール
 たとえ最も弱いサルでも、最初にエサをもらったサルが、そのエサの所有権を得る
(2)公平(平等)のルール
 ①互いに同じエサ(例:キュウリ)をもらったサルはケンカしない
 ②良いエサ(例:バナナ)を特定のサルにのみ与えると、もらえないサルは怒り出す
 ③公平のルールより階級のルールの方が優先される
 →序列同等のサル同士のみ、公平さを要求するが、序列が異なるとケンカしない(=エサ格差があっても諦める)
(3)階級(群れの秩序形成)のルール
 ①序列形成の初期段階では互いに戦うが、そのうち群れの中で序列が生まれる
 ②群れ=共同体であり、共同体内の仲間を守る心=友愛が生まれる
 ③群れの仲間になるにはまず(1)、(2)を守る事が前提
(4)フランス革命で勝ち得た自由、平等、友愛の3つの正義をチンパンジーも得ている事になる

8.マイケル・サンデルの正義
(1)リベラリズムリベラリスト)とリバラリアニズム(リバタリアン
 ①リベラリスト
  自由重視(=あらゆる差別反対)だが、結果不平等なのも反対の立場、国家権力(=富の再分配)必要の立場
 ②リバタリアン
  自由重視(=あらゆる差別反対)で、結果不平等なのも賛成(しょうがない)のため、国家権力反対の立場
(2)コミュニタリアニズム
 個人より共同体のルール(文化、伝統)重視

9.リベラルデモクラシー
(1)世界中の人はすべて同じ人権を持つのが良いとする立場
(2)法律を犯さない限り、自己責任の範囲で人は自由に生きることを保障される
(3)国家でなく市民が憲法を作り、国家戦力を統制するべき

10.日本の戦国時代から中世以降(秀吉まで)
(1)合戦は冬が多かった
 農閑期の冬に食べる物がなくなるため(農民は冬に戦をする事で、食べ物を得ていた)
(2)ムラから逃げ出す農民を監視する仕組みができた
 ①五人組、隣組で相互監視させていた
 ②相互扶助(互いに助け合う)システムも同時に生まれた

本音に気づく会話術 西任 暁子(ポプラ社)

 

本音に気づく会話術

本音に気づく会話術

 

1.本音の伝え方(OFNRの4ステップ)

(1)観察(Observation)(例:大きな音楽が突然聴こえる)
(2)感情(Feeling)(例:びっくりした)
(3)ニーズ(Needs)(例:すごく疲れていて体を休めたい)
(4)リクエスト(Request)(例;ヘッドフォンで音楽を聴いて欲しい)
→ 相手にいきなり(4)を伝えるのでなく、(1)〜(3)の順でOFNを伝えてから(4)を伝えること

2.ニーズの探し方
(1)仮定、想定したケースの中で何を失うかでニーズ(失いたくない物事)を考えてみる
(2)ニーズはあくまでも自分の価値観(大事にしている物事)から生み出している
(3)「○○すべき」としてニーズは考えない(自分不在の意見、価値観となってしまうため)

3.感情とは
(1)感情に快、不快はあるが良い悪いはない
(2)不快な感情(怒り、悲しみ、寂しさ等)を悪い感情だとして、自分を否定しないこと
(3)不快な感情も人生には必要なもの(例:「恐れ」「痛み」の感情はケガ、病気から身を守る)

4.感情の長さ
(1)快、不快何れも90秒間味わえば、なくなる
 (例:怒りの化学成分は90秒以内に血液中からなくなる)
(2)不快な感情を90秒以内に終わらせる方法
 ①考えずにただ感じ尽くすこと
 ②理由、過去の経験、未来への不安など思考しないこと

5.「共感」を求めている相手への良くない受け答え
(1)アドバイス
 相手が「解決方法」が欲しい時は良いが、「共感」を求めている時はNG
(2)質問
 「共感」を求めている時に5W1Hを質問されてもいい気持ちにならない
 →気持ち、思いをクローズドクエスチョンする
(3)自分の話
 相手の話と自分の話を簡単に同じにしてはダメ
(4)分析、批判、評価、判断、先読み

6.相手へのリクエストのコツ
(1)肯定語で伝える(例:お茶をこぼさないで→お茶碗は両手でしっかり持って)
(2)自分のニーズのみ満たすエゴで伝えない
 ①コミュニケーションは双方のニーズを満たすための手段
 ②自分のリクエスト(ニーズを満たすこと)が相手の別のリクエスト(ニーズを満たすこと)につながると良い