2013年以前のブックレビューも随時追加中

整える習慣 小林 弘幸(日経ビジネス人文庫)

1.実力を出し切る
(1)実力アップ、スキルアップの前に本来の実力を十分発揮させる方が効率的
 例:100ある実力を120にアップできたとしても、70しか発揮できないより、100ある実力のうち90発揮できる方がよい

2.自律神経とは
(1)自律的(自動的)に動く部分=自分の意思では動かすことのできない部分(例:内蔵、血管等)
(2)交感神経:アクセル、血管を収縮させる
 ①交感神経が高まり過ぎると血液が通りにくくなる(ゴムホースを絞ったような状態)
 ②怒りっぽい人は高血圧、血液ドロドロになりやすい
 ③怒りだけでなく、不安、緊張しやすい人もバランスを崩しやすい
(2)副交感神経:ブレーキ、血管を弛緩させる
 副交感神経が高まり過ぎると血液が運ばれなくなる(ポンプのない状態)
(3)自律神経は3〜4分乱れただけで、元に戻るのに3〜4時間かかってしまう
 例:夏の日に急によく冷えた室内に入る等、温度差があるとすぐに自律神経は乱れる
(4)自律神経のトータルパワー(活性力)
 交感神経と副交感神経の切り替えやバランスを整える力

3.怒りの奥の「不安」を見据える
(1)心の根底にある不安が原因で怒りやすくなっている事がある
(2)「自分は不安なんだ」と認める
(3)不安と思っていることをノートに書き出してみる
 (例:家族の問題、お金の問題、健康の問題)

4.メンタルの問題はメンタルで処理しないこと
(1)集中できない、落ち込んでいる時こそ、体を動かす(例:階段の上り下り)
(2)リズミカルな運動は副交感神経が高まり、自律神経のバランスがよくなる

5.時間
(1)午前中
 ①一人でクリエイトする時間割当が理想
 ②メール返信、定例ミーティング等、重要度の低い作業はできる限り避ける
(2)午後
 ①昼食後の2時間はノンファンクション(非機能)な時間帯
 ②考える必要のないルーチンワークをできる限り行う
(3)その日の最後の1時間
 ①時間を決めて終われる(時間で区切る事のできる)仕事割当がよい(例:資料整理、書面チェック等)
 →内容で区切るべき仕事(クオリティ重視)は、ここでは行わないこと(午前中実施が良い)
(4)食事
 ①マインドフルネスのトレーニング(例:「今、ニンジンを食べている」と行為のみに意識を集中させる)を行い、集中力を向上させる
 ②ヨーグルトは時々種類を変えてみる(多様性が腸内環境を高める)
 ③ブラックコーヒーは一日2杯
(5)リモートワーク対応(新しい習慣)
 ①一日5分でよいので、在宅中新しい習慣を作る
  例:瞑想、読書、一箇所だけ部屋の片付け
 ②一日4回程度、5分の運動を行う
  例1:1回に一箇所だけストレッチ(一日4箇所ストレッチ)
  例2:スクワットをゆっくり10回だけ行う(一日40回スクワット)

6.リスク
(1)大問題であるほど、何よりも先に体のコンディションを整えること(水を飲む、深呼吸する等)
(2)ささいなことほど、放置せずすぐ対処すること

7.体の整え方
(1)朝一杯の水を飲む
 ①交感神経が高まる(腸が反応すると自律神経の動きがよくなり、体にスイッチが入る)
 ②体全体に水が行き渡るイメージをしながら飲むこと
 ③朝に限らず、仕事中の休憩にもこまめに飲むこと
(2)手足を動かす
 ①散歩にすら行けない(行く気力がない)時は、手だけでもよいので動かすとよい
 ②片付け作業で手を動かせば、気持ちの整理、集中力も増して効率的
(3)お風呂
 ①39度、全身浴5分、半身浴10分が目安
 ②全身浴は首まで浸かる(首に自律神経のセンサがたくさんあるため)

8.行動パターン
(1)家に着いた時のオフモードへの切り替え方
 ①帰宅後、最初にやることを1つでいいので決めておく(いきなりソファに倒れ込むのはNG)
 ②家に着いたら、条件反射で(その作業をまず最初に)やれるとよい
 →体を動かしながら徐々に休息モードに入る事で、スムーズに入っていくことができる
(2)朝でなく前夜からスタートと考える
 ①前夜、寝る前に30分程度の落ち着いた時間(寝るための準備時間)を持つ
  TV、SNSはNG、読書、音楽はOK
 ②落ち着いたら、10分程度その日の振り返り時間を持つ
  失敗した事があれば「こうすればよかった」行動を具体的にイメージしてみる(記憶の上書き)
 ③その日を日記で記録する(写真1枚でもよい)
  記録する事自体よりも、意識的にその日一日の区切りをつける(リセットする)事が日記の目的
  →なんとなく毎日ダラダラ続いている変化のない日常は、自律神経のバランスが崩れてしまうため
  →毎日を丁寧に振り返る事で、きちんと今を生きる事ができる
 ④明日一日をイメージ(シミュレーション)してみる
  まず最初にやることを1つでいいので決めておく
  例:条件反射で(その作業を最初に)やれるとよい
  →金曜夜なら来週一週間をイメージできるのが理想
 ⑤ベッドの上で正座して「今日もありがとうございます。明日もよろしくお願いします。」と感謝する
  →心の中で唱えるだけでも呼吸が深くなり、交感神経が下がり(副交感神経が高まり)休息睡眠モードに入りやすくなる
(3)行動チェックのやり方
 ①自分の今のコンディションに気づくこと
  例:朝洗顔時の顔つき、歯磨きの仕方、着替え時の気分、駅までの徒歩スピード等、(いつもより速い、遅い等)セルフチェックしてみる
 ②忙しいときほど、「ゆっくり、丁寧に」を意識する
  忙しいと自律神経が乱れてしまうため、自律神経を整えるための意識付けがまず必要
 ③仕事は1時間に1回程度休んでよいが、休む前に、休憩時間と次に何をするか決めておく

9.自分のタイプ
(1)周囲の目を気にすることなく、自分本位
 →このタイプの人は人にどう思われるか気にならず、八方美人になってもストレスフリー
(2)基本、周囲の目を気にしないが、大事なポイントは自分を抑え、協調
(3)基本、周囲の目を気にしないが、大事なポイントは思い通りに行動
(4)常に周囲の目を気にして協調
→このタイプの人は自分を抑え、人に合わせている事が一番ストレスフリーとなる
 無理やり自己主張しようとするとストレスが増えてしまう