2013年以前のブックレビューも随時追加中

身近な科学が人に教えられるほどよくわかる本 左巻 健男(SBクリエイティブ)

1.飛行機
(1)翼への揚力(上側と下側の空気の圧力差)で飛んでいる
(2)ベルヌーイの定理
 翼の上側でなぜ流れの速度が速くなり、圧力が小さくなるかは説明できていない
(3)クッタの条件(ジュコフスキーの仮定)
 ①翼の前端から後端にかけて尖っていること
 ②前端で翼の上下に分かれた流れが、後端でなめらかに合流するのが重要

2.携帯電話
(1)CELP(Code Excited Linear Prediction:符号励振線形予測)
 ①受信側ではデータベース(固定コードブック)に43億パターンの声の波形データを登録しておく
 ②送られた波形データはデータベース上で照合される(送り手の声に近いデータを検出して合成)

3.レーザー
(1)太陽、電灯とは異なり、波長、方向、位相が揃った一様な(コヒーレントな)明るい光の束

4.栄養ドリンク、エナジードリンク
(1)共通成分
 ①カフェイン:覚醒作用
 ②糖類:脳の栄養
 ③アミノ酸:持久力アップ
 ④ビタミン類:Eは血液循環、B1は代謝補助と神経系調節
(2)栄養ドリンク
 医薬部外品タウリンが主成分:肝機能修復、視力・ストレス・疲労回復
(3)エナジードリンク
 炭酸飲料、清涼飲料水でアルギニンが主成分:血管を広げて血液循環

5.夜の音が遠くまで届く
(1)昼間(通常午後2時がピーク)は地表が暖かく、上空が冷たいため、地表の音速が上空より速い
(2)夜は放射冷却で地表温度が下がり、上空にいくほど暖かくなるため、地表の音速が上空より遅くなる
 →温度差があると上空の音が屈折し、地面に降りてくる(=遠くまで伝わる)

6.放射冷却
(1)絶対零度でない限り、全ての物質は放射(放熱)している
(2)宇宙空間のような媒体がなくとも熱を移動させるには放射しかない
(3)太陽の当たらない夜の間に地表から熱は放出される
 ①夜のうちに晴れている(雲がない)と放射量は増える(=明け方の冷え込みが厳しくなる)
 ②風が弱い、空気が乾燥していると更に放射量増加

7.炭素繊維
(1)軽くて丈夫な理由
 ①炭素原子自体が軽い
 ②炭素原子同士の繋がり方が規則正しい(強固な共有結合
 ③燃えにくい(=隙間が少ないため、外から酸素が入りにくい) 

8.雷
(1)寒気が暖気を押し上げたり、温められた空気が膨張すると激しい上昇気流が起きて積乱雲ができる
 →雲の中にある雨や氷はぶつかりあい、摩擦により静電気が発生
 →雲の下(地表)に電荷が集まり(静電誘導)、雲底と地表の電圧差により雷が発生