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本屋を守れ 藤原 正彦(PHP新書)

本屋を守れ 読書とは国力 (PHP新書)

本屋を守れ 読書とは国力 (PHP新書)

  • 作者:藤原 正彦
  • 発売日: 2020/03/13
  • メディア: 新書
 

1.読書の目的
(1)語彙を増やして情緒を育むため
 勇気、自己犠牲、友情といった様々な情緒がある
(2)情報を教養にすること
 ①情報が繋がって知識になり、知識が繋がって教養となる
 ②インターネットでは情報を得るところまで
 ③教養がないと大局観が生まれない

2.ポーランドと日本
(1)1939年、独ソ(ヒトラースターリン)でポーランドは分割統治
(2)日本もアメリカと中国に分割統治される可能性あり
 ①日中戦争でのフライング・タイガース(アメリカ製の中国空軍機)
 ②1971年、キッシンジャー周恩来の極秘会談(日本の軍事力を抑える必要性を会談)

3.アマゾンによるネット寡占の弊害
(1)本屋、取次店を潰してから、本の価格を吊り上げる
(2)出版社の価格決定権、編集権も掌握

4.論理の出発点と読書
(1)AならばB、BならばCといくら論理的に考えても、最初のA(出発点)自体は仮説を立てざるを得ない
(2)出発点の仮説としてどれを選択するかというセンスは、全人格の情緒でしか育めない
(3)人が人生で経験できる情緒はあまりにも少ないため、それを補うために読書がある

5.英語とアジア
(1)公用語としているのはインド、パキスタンシンガポール、フィリピン
 ただし、経済的先進国はシンガポールのみ
(2)英語教育はアジア中(世界中)重視しているが、どこも成功していない
(3)フィンランド方式も移民が入ってきてから大幅にレベルダウン

6.英国のインテリ
(1)I don't think soとはまず言わない
 I would rather sayを使う
(2)第一に古典・文学の教養、第二に数学の論理的思考、第三にスポーツによるフェア精神(公平公正)と忍耐
(3)ケンブリッジ大の入試
 地方公立校生徒は、有名パブリックスクールの生徒より多少点数が低くとも合格させている

7.アメリカのPC(ポリティカル・コレクトネス)
(1)PCとは人を容姿、身分、性別、人種等で差別しないこと
 「弱者は正しい」というポリシー
(2)行き過ぎたPC
 ①学生図書館に身体障害者用エレベータ設置
  費用が学生が購入する書籍1年分もかかってしまう
 ②中国人研究生が難病のため、大学の保健管理センターで自領すべきか?
  学生や教官が使う薬1年分の治療費が一人の研究生にかかってしまう

8.国富の外資化政策
(1)小泉・竹中構造改革による郵政民営化
 郵貯簡保切り分けにより、アメリカのハゲタカファンドに預金運用権が売り飛ばされた
(2)構造改革特区、国家戦略特区
 アメリカの新自由主義政策により、国富が外資化される

9.ドイツとナポレオン
(1)18世紀のドイツは300もの領邦に分裂していたため、ナポレオンに侵略された
(2)1871年ビスマルクプロシアにより、ようやくドイツは統一された

10.日本の講談
(1)講談本を読むことで、江戸時代から家庭教育や武士道を授かり、知識が身についた