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地獄の楽しみ方 京極 夏彦(講談社)

地獄の楽しみ方 17歳の特別教室

地獄の楽しみ方 17歳の特別教室

  • 作者:京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/11/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

1.言葉の力
(1)情報交換力
 人間以外でも持っている力(例:ミツバチが動き方で餌の場所を伝え合う)
(2)時間という概念
 ①「過去」「未来」という意識は、人間しか持っていない
 ②動物は「今」(もしくは起きて、食べて、寝るというパターン)しか認識していない

2.勝負(はなんのためにあるか)
(1)ゲームを面白く楽しくするためのルールに過ぎない
(2)「自分に勝った」はくだらない精神論のある言い回し
 →わかりにくい表現をせず、努力をして成果が出たと言えば良いだけ
 →精神論は目に見えず言葉で説明するしかないため、ここに危険な誤解が生まれる
(3)淡々と楽しく積み重ねた身の丈にあった努力が本当の成果を生み出す
(4)勝負という単純で実のない価値観に振り回された人生を過ごしてはいけない

3.スポーツ(はなんのためにあるか)
(1)スポーツの日本語訳は「余暇運動」(つまり、暇な時にやる運動の事)
(2)本来は競技である(相手と競う)必要はない

4.正義
(1)対義語は「悪」ではない(「悪」の対義語は「善」)
(2)正しい「義」の反対は、正しくない「義」=不義
(3)「悪」には、はなはだしい、ものすごいという意味もあり、不義とは異なる

5.神
(1)「悪」の対義語が神(キリスト教では正しい解釈)
(2)唯一無二の絶対神と考えると、対等に対立するものはないはず
(3)悪もまた神が作ったものの1つ(=悪もまた神の一部)
(4)唯一神キリスト教ユダヤ教等)
 ①名前がない
 ②ゴッド(God)は神の属性を示しているだけ
 ③偶像崇拝禁止(十字架は神ではなく、神の子イエスを示しているだけ)

6.愛
(1)(文字の作りから)「立ち止まって振り返る」という意味がある
(2)「執着」することが本来の意味

7.整理整頓
(1)整理
 ①生活しやすくするための概念、考え方
 ②その人のルール、理屈(頭の中)で、どこに何があるか整っている状態
(2)整頓
 ①見た目や物理的な作業
 ②部屋や机の上が綺麗で片付いている状態
(3)整頓されていても、整理されていないケース
 ①片付いているのに、どこに何があるかわからず、使いたい時に探さないと出てこない状態
(4)整頓のメリット
 ①多くの情報が保存しやすく、アクセスしやすい
 ②清潔にしやすい(掃除しやすい)
(5)ミニマリズム
 身近に何も置かないため、物に執着しないとも言えるが、
 物理的に何もない事による清々しさに執着しているとも言える

8.好き嫌い
(1)無理やり好きなものを見つけようとしない事
(2)嫌いなことしないように頭の使い方を考えよう
(3)自分のやりたくない事を極力減らすための努力をする(=そのために本を読んで語彙を増やす)

9.言葉(言霊)
(1)言い方次第で(人を)「祝う」事も「呪う」事もできる
 相手にどう伝わるかがポイント
(2)多くの人に行動を起こすスローガンとなる
 聞いた人が誰もが同じような行動を起こす言葉を選ぶ必要がある