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模倣の経営学 井上 達彦(日経BP社)

模倣の経営学 (日経ビジネス人文庫)

模倣の経営学 (日経ビジネス人文庫)

 

1.メタファー(Metaphor)
(1)Meta(〜を越えて)、phor(運ぶ)
 →ある世界から別の世界へ境界を超えて運ぶ
(2)修辞学的メタファー(例:すし詰め状態)
 未知のことを既知の例えで説明すること
(3)認知的メタファー(なぞかけ)
 馴染みのない例えで馴染みのあることを説明する(〜とかけて、・・と解く。その心は〇〇)

2.ビジネスモデル
(1)キヤノン(インストールベース型)
 消耗品やサービスから高収益を上げている
(2)楽天市場(プラットフォーム型)
 出店料を抑えて(仮想)商店を増やす一方、買い物にポイントをつけて購買促進させている

3.探索
(1)観察(ありのままに見る)
(2)探索(遠い世界を見に行く)
(3)教師(誰をどう真似るか)

4.分析
(1)P-VARフレームワーク
 ①Position(どの業界、どの事業でビジネスするか)
 ②Value(提供している顧客価値は何か)
 ③Activity(収益(課金)と投資(業務活動)の仕組み)
 ④Resource(経営資源
(2)ヤマト運輸のP-VAR分析(1980年当時)
 ①Position(商業貨物→一般顧客宅配に参入)
 ②Value(全国どこでも翌日配送、わかりやすい料金体系)
 ③Activity
  緊密連携した運送業務(取次店で集荷)
  常に荷物を集荷し配送する(配送システムを遊休化させない)
 ④Resource(ハブ&スポークの全国輸送ネットワーク)

5.守破離(ギャップを越える複眼モデリング
(1)現状分析(課題の明確化)
(2)(お手本の)探索と参照
(3)理想モデルの設計
(4)現状とのギャップ抽出
(5)変革実行(矛盾の解消)
(6)例1:スターバックス
 ①現状分析(課題の明確化)
  食料雑貨店だった
 ②(お手本の)探索と参照
  ヨーロッパのカフェ
 ③理想モデルの設計
  第3の場所(くつろぎと交流)
 ④現状とのギャップ抽出
  サービス実現方法
 ⑤変革実行(矛盾の解消)
  くつろげる雰囲気作り(直営店、従業員との信頼)
(7)例2:ドトール
 ①現状分析(課題の明確化)
  昭和の喫茶店だった
 ②(お手本の)探索と参照
  ヨーロッパのカフェ
 ③理想モデルの設計
  150円の立ち飲みカフェ
 ④現状とのギャップ抽出
  収益性確保
 ⑤変革実行(矛盾の解消)
  回転率重視(一等地、セルフサービス、労働機械化)