2013年以前のブックレビューも随時追加中

老後は非マジメのすすめ 立川 談慶(春陽堂)

老後は非マジメのすすめ

老後は非マジメのすすめ

 

1.老後
(1)落語には「老後」の概念がない
 隠居(ご隠居さん)には敬う気持ちがあるが、老後(老後さんとは言わない)には強制終了的な闇のイメージがある
(2)非マジメとは、許容する心
 ①人間なんていい加減なものだ
 ②生マジメだと他者を許さない(究極は戦争行為に繋がる)
 ③不マジメだと自己も他者も不定(究極は国の成り立ち自体否定)
(3)目が悪くなる=細かい字はもう読まなくていい、歯が悪くなる=硬い肉は食わなくていい、耳が悪くなる=雑音はもう聴かなくていい

2.虚構(ウソ)
(1)事実や真実は目を背けたくなるものがほとんど
(2)ウソ(世辞や愛嬌)があれば、冷徹な現実を緩和させてくれる

3.過去
(1)過去は変えられないが、受け止め方は変えられる(過去の失敗は財産と受け止める)

4.のんき
(1)高度経済成長(対前年比でずっと考える)を前提としない生き方
(2)大量生産&消費を旨としない社会(=リサイクル社会)
(3)すぐに結果、結論を求めない優しい心を持つこと
 ①例1:耳が不自由なスタッフが運営するカフェ
 ②例2:認知症の人が店員で働き、客がミスを受け入れる世界一優しい料理店

5.寛容(鈍感)力
(1)よそ者の常識外れの振舞をある程度までは許すこと
 東京は田舎者の集まり(上京して最初は誰もが下品だったかもしれない)
(2)老人になったら、許される程度の図々しさを使って、年下には上手に甘えること

6.与太郎とは
(1)相手に優越感を与える生き方
 実はどんな相手にも平等に愛を与えている
(2)(1)を行いつつ、自分がのびのびできる居場所も確保している
 ただし、自己主張は一切行わない
(3)どんなマイナス面を見てもプラスに捉えることができる