2013年以前のブックレビューも随時追加中

ストレスをためない技術 松島 直也(日本実業出版社)

 

ストレスをためない技術

ストレスをためない技術

 

 1.ポジティブ・シンキングの危険性

(1)「このくらい大丈夫!」「これでいい!間違ってない!」と言い聞かせて、ストレスにフタをするのは危険

(2)いったんは成功するが、ストレスは消えないまま蓄積していき、ある時期突然心が崩壊する

 

2.感情を整理する

(1)ストレスを感じたら、感情は抑えるのでなく、整理すること

(2)どうして腹が立っているのか客観的に分解して考えること

(3)分解して考えていくうち、それにつられ感情も冷静になる

 

3.感情の整理の仕方

(1)ストレスを避ける

 ①できる限り排除、回避してみる(ストレスから逃げる、別の行動を起こす)

  例:朝の満員電車ストレス→避けるために15分早く起床(どちらがストレスが多いか判断し、選択する)

 ②回避するのはいいが、何かのせいにする(現実逃避)のはよくない

(2)ストレスを捉え直す

 ①調子のよい過去の自分だったらどう受け止めるか思い出してみる

 ②無理なポジティブ・シンキングで(過去になかった事を)無理に(自分の事のように)思い込もうとしないこと

 ③ストレスと感じたら、今こそメンテナンスをする時だと捉え直す

(3)ストレスを受け止める

 ①事実だけを受け止めるとは、そこから派生する意味や解釈を切り離すということ

  例:仕事で失敗して落ち込む→事実としてあるのは、「仕事で失敗しただけ」(そうつぶやいてみるとよい)

 ②嫌な事、できなかった事の中に良かった事、できた事も見つけ出す事

 

4.人との距離感を整理する

(1)誰とでも適正な距離感がある

(2)やみくもに近づき過ぎるとストレスとなる

(3)自分や相手の年代、状況、コンディションによって適正な距離感は様々

 

5.深刻でなく真剣に考える

(1)深刻な状態

 ①答えのでない事を考えている

 ②どうしてできないのかと考えている

(2)真剣な状態

 ①答えは決まっていて、そこへのプロセスについて考えている

 ②どうすればうまくいくかと考えている

 

6.答えの出ない問題は一旦保留するしかない

(1)イメージ・シュレッダー(頭のなかで紙に書いてシュレッダーにかける)の効用

 問題自体は解決しないが、無意識に働きかける事で、ストレスは減る

 

7.パターン(習慣、ルーチン作業)の功罪

(1)メリット

 ①毎日を何も考えないで暮らしていける

 ②ストレスフルな時の気分転換になる

(2)デメリット

 ①飽きる、退屈になる

 ②変化への耐性が弱くなる

 →自分から意識して、日常にアクセント(変化)をつける

 →ルーティンワークのメリットを活かしつつ、適度な変化も取り入れる

 

8.夜寝る前に考えてはいけないこと

(1)今日の反省(嫌なこと、できなかったことを思い出す)

(2)明日の予定(やることを考えると眠れなくなる)

 

9.アンカリングを利用したスイッチング

(1)自分の好きな音楽、写真

 ストレスのかかる事を始める前に利用

(2)自分のモチベーションを上げるポーズ(例:ガッツポーズ)

 落ち込んでいる時、憂鬱な時にこそモチベーションを上げるポーズをしてみる

(3)冷静になる、客観的になる時のポーズを決めておく(例:顎に手をあてる)

 自分が普段クセでやっている事に意味付けをしてやり、逆利用する

 

10.気になることを書き出してみる

(1)いくつもあるようで、意外と少ないことに気づく

(2)書き出すことで、客観的に距離感を持って考えられる

(3)気になることを整理しやすくなる

 

11.ストレスとうまく付き合う

(1)ベイビーステップ

 ①嫌なこと、苦手と思った事をたまには少し無理をしてやってみること

 ②今まで感じていたのは思い過ごし(慣れていなかっただけ)で、うまくいくこともある

 

12.安全地帯を作っておけば、心が強くなる

(1)どんなストレスがあっても癒やされる安全地帯

 具体的な方法でなくとも、過去に感じた「安心できる場面、情景」でよい

(2)危険地帯に飛び込んでみて、辛くなったら安全地帯で回復させる

 「危険地帯(ストレス状況)」で負荷を与え、

 「安全地帯(安心感)」で回復させる事を繰り返すことで、

 筋肉の負荷トレーニングのように心の筋肉が強化される