ストレスをためない技術 松島 直也(日本実業出版社)
1.ポジティブ・シンキングの危険性
(1)「このくらい大丈夫!」「これでいい!間違ってない!」と言い聞かせて、ストレスにフタをするのは危険
(2)いったんは成功するが、ストレスは消えないまま蓄積していき、ある時期突然心が崩壊する
2.感情を整理する
(1)ストレスを感じたら、感情は抑えるのでなく、整理すること
(2)どうして腹が立っているのか客観的に分解して考えること
(3)分解して考えていくうち、それにつられ感情も冷静になる
3.感情の整理の仕方
(1)ストレスを避ける
①できる限り排除、回避してみる(ストレスから逃げる、別の行動を起こす)
例:朝の満員電車ストレス→避けるために15分早く起床(どちらがストレスが多いか判断し、選択する)
②回避するのはいいが、何かのせいにする(現実逃避)のはよくない
(2)ストレスを捉え直す
①調子のよい過去の自分だったらどう受け止めるか思い出してみる
②無理なポジティブ・シンキングで(過去になかった事を)無理に(自分の事のように)思い込もうとしないこと
③ストレスと感じたら、今こそメンテナンスをする時だと捉え直す
(3)ストレスを受け止める
①事実だけを受け止めるとは、そこから派生する意味や解釈を切り離すということ
例:仕事で失敗して落ち込む→事実としてあるのは、「仕事で失敗しただけ」(そうつぶやいてみるとよい)
②嫌な事、できなかった事の中に良かった事、できた事も見つけ出す事
4.人との距離感を整理する
(1)誰とでも適正な距離感がある
(2)やみくもに近づき過ぎるとストレスとなる
(3)自分や相手の年代、状況、コンディションによって適正な距離感は様々
5.深刻でなく真剣に考える
(1)深刻な状態
①答えのでない事を考えている
②どうしてできないのかと考えている
(2)真剣な状態
①答えは決まっていて、そこへのプロセスについて考えている
②どうすればうまくいくかと考えている
6.答えの出ない問題は一旦保留するしかない
(1)イメージ・シュレッダー(頭のなかで紙に書いてシュレッダーにかける)の効用
問題自体は解決しないが、無意識に働きかける事で、ストレスは減る
7.パターン(習慣、ルーチン作業)の功罪
(1)メリット
①毎日を何も考えないで暮らしていける
②ストレスフルな時の気分転換になる
(2)デメリット
①飽きる、退屈になる
②変化への耐性が弱くなる
→自分から意識して、日常にアクセント(変化)をつける
→ルーティンワークのメリットを活かしつつ、適度な変化も取り入れる
8.夜寝る前に考えてはいけないこと
(1)今日の反省(嫌なこと、できなかったことを思い出す)
(2)明日の予定(やることを考えると眠れなくなる)
9.アンカリングを利用したスイッチング
(1)自分の好きな音楽、写真
ストレスのかかる事を始める前に利用
(2)自分のモチベーションを上げるポーズ(例:ガッツポーズ)
落ち込んでいる時、憂鬱な時にこそモチベーションを上げるポーズをしてみる
(3)冷静になる、客観的になる時のポーズを決めておく(例:顎に手をあてる)
自分が普段クセでやっている事に意味付けをしてやり、逆利用する
10.気になることを書き出してみる
(1)いくつもあるようで、意外と少ないことに気づく
(2)書き出すことで、客観的に距離感を持って考えられる
(3)気になることを整理しやすくなる
11.ストレスとうまく付き合う
(1)ベイビーステップ
①嫌なこと、苦手と思った事をたまには少し無理をしてやってみること
②今まで感じていたのは思い過ごし(慣れていなかっただけ)で、うまくいくこともある
12.安全地帯を作っておけば、心が強くなる
(1)どんなストレスがあっても癒やされる安全地帯
具体的な方法でなくとも、過去に感じた「安心できる場面、情景」でよい
(2)危険地帯に飛び込んでみて、辛くなったら安全地帯で回復させる
「危険地帯(ストレス状況)」で負荷を与え、
「安全地帯(安心感)」で回復させる事を繰り返すことで、
筋肉の負荷トレーニングのように心の筋肉が強化される