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FACTFULNESS ハンス・ロスリング(日経BP社)

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

 

1.分断本能
(1)人は何事も2つのグループに分けて考えたがる(いわゆる二項対立)
 良い/悪い、正義/悪、自国/他国、男性/女性等
(2)「分断」を示すような言葉に騙されないこと
 分断された重なりのないグループと思いがちだが、実際は重なりがあり、その中間部分に大半の人がいる場合がある
 →極端な例を探すより、まず大半の人がどこにいるか探すこと

2.ネガティブ本能
(1)悪いニュースは広まりやすい(良い出来事はニュースになりにくい)
(2)「悪い」と「良くなっている」が並行して進む変化もある
(3)長期的に良くなる(ゆっくりとした進歩)より、短期的に悪い事が起きるとが気づかれやすい
(4)悪いニューズが増えたのは、これまでより監視の目が届くようになった(良い事)かもしれない
(5)減り続けている悪いこと
 ①100万人あたりのHIV感染(1996年549人→2016年241人)
 ②有鉛ガソリンが合法な国(1986年193カ国→2017年3カ国)
 ③核兵器(1986年6万4先発→2017年1万5先発)
 ④大気汚染(一人あたりの二酸化硫黄排出量)(1970年38kg→2010年14kg)
(6)増え続けている良いこと
 ①安全な飲料水(1980年58%→2015年88%)
 ②1歳児の予防接種(1980年22%→2016年88%)

3.直線本能
(1)グラフの直線はまっすぐ続くだろうという思い込み(直線はいつかは曲がりだす)

4.恐怖本能
(1)恐怖でパニックとなり、正しく考えられなくなること
(2)リスクは質×量(危険度×頻度)で計算すること

5.過大視本能
(1)一つの大きな数字(例:420万人)だけで大きい、重要だと判断しないこと
(2)複数の数字を見つけて比較し、相対的に見ること
(3)複数の項目があるなら、そこから大きな項目を探し、80/20ルールが使えるか検討する

6.パターン化本能
(1)パターン化(分類)できるという思い込み
(2)同じ集団の中にある違いを探す(同じと思っている集団の中に違いがある)
(3)違う集団の間の共通項を探す(違うと思っている集団の間に共通点がある)
(4)ある集団でのパターンが他の集団でも当てはまると思い込まないこと
(5)過半数の意味合いを正確に把握すること(51%も99%も過半数だが、実際は大きく異なる)

7.宿命本能
(1)宿命(持って生まれたもの)は変わらないという思い込み
(2)ゆっくりとした変化、小さな進歩が数十年で大きな変化をもたらす

8.単純化本能
(1)数値化(データ化)という単純化により、見落とすこともある(例:個人の自由、進歩は数字で測れない)
(2)専門知識という便利なツール(トンカチ)を持っていると、どんな問題にも無理やりそのツールを使いたくなってしまう(なんでもクギに見えてしまう)

9.犯人探し本能
(1)犯人(人)でなく原因を探そう(誰かを責めても問題は解決しない)
(2)ヒーローでなく良い仕組みに目を向けよう

10.焦り本能
(1)焦らない(今すぐ決めないといけないようなことはめったにない)