文章の技術 尾藤 克之(明日香出版社)
1.「は」と「が」の違い
(1)「は」を他の置き換え(言い換え)できる場合、主語になれない
(2)例1:私は背が低い→私の背は低い(私は主語になれない)
(3)例2:商社は外国人が多い→商社に外国人が多い(商社は主語になれない)
(4)例3:ネクタイは彼女が買ってくれた→ネクタイを彼女が買ってくれた(ネクタイは主語になれない)
2.接続詞の乱用
(1)「そして」「しかし」を使い過ぎると支離滅裂となる
(2)「そして」の代わりに「さらに」「かつ」が使えないか考えてみる
(3)「しかし」の代わりに「だが」「ところが」が使えないか考えてみる
3.連体修飾語
(1)「こと」は「〜について」に言い換える(ビジネス文書では避ける)
(2)例:仕事のことでお話を伺いたい→仕事についてお話を伺いたい
4.慣用句の間違い
(1)役不足
①「能力が足りていない」の意味でない
②本来は(その人が持っている)能力に対して、もらった役目が軽すぎること(=物足りないの意味に近い)
(2)煮詰まる
①「もはや解決策がない」の意味ではない
②「議論を尽くしたから、もう結論が出る寸前だ」の意味
(3)ごぼう抜き
①「大勢を一度に抜く」ではない
②「大勢から一つずつ抜く」の意味
(4)潮時
①「やめる、終わる時」の意味以外もある
②「最も良い時期」の意味
(5)情けは人の為ならず
人に情けをかければ、自分にも良い報いがあるという意味
(6)憮然
失望してぼんやりしていること
(7)勿体ない
物の価値を十分活かしきれてなく、無駄になっていること