問題解決大全 読書猿(フォレスト出版)
1.リニアな問題解決
(1)佐藤の問題構造図式
原因として漠然と考えていたもの(例:飲酒運転)から、制約条件、外乱を整理
(例:飲酒運転したら事故→制約条件:初めて通った道、外乱:雨降り)
(2)ティンバーゲンの4つの問い
対象内部の仕組みとプロセス・パターン、
対象外部(全体)の仕組みとプロセス・パターンを考える
(3)フェルミ推定
①例1:シカゴの人口
全く知らないものでも桁数が合えばよい場合
100万〜1000万人と推定するなら、相乗平均で10の6乗×10の7乗のルートだが、
√10=ざっくり3として、300万人としてよい
②例2:トイレ利用時間
自分が1日平均10分トイレ利用しているなら、全員が同じと考える
(4)コンセプトマップ
①キーワードを書き出し、キーワード間をリンクしていく
②リンクした関係もシンプルな言葉で付け加える
・is/are:AはBである
・in:AはBの中にある
・with:AにBが伴う
・kind of:AはBの一種である
(5)自由主義のパラドックス
他人に迷惑をかけない限り何をしてもよい個人の権利と
複数人(2人以上)が望む意向の両立はできない
(6)機会費用
①選んだこと(機会)とすると得られたであろう利益(価値)のこと
②選択した行動の損害は大きく、選択しなかった行動の利益は小さく考える傾向
③限界効用逓減の法則(回数が増えた時の満足度低下)も考慮する
例:一杯目のラーメンは一番美味いが、二杯目以降だんだんと満足度は低下
④選択者が大きくなると、選択した事自身が、その後の行動も変えてしまう
例:事故を減らすため、自動車に安全装置をつける→安全装置で死亡率低下
→死亡しないとわかると運転が荒くなり、事故率は増える
→安全装置を付けることで、安全運転するという価値(機会費用)を失った
(7)意思決定規則
①非補償型規則(補償できないルール:ある属性が基準以下だと、他の属性がどれだけ優れていても補えない)
DOM(優越性):全ての属性が他の選択肢より優れているもしくは同等
CON(連言) :基準値のある属性全て合格している
DIS(選言) :基準値のある属性のうち1つでも合格している
LEX(辞書的):最重要属性が他の選択肢より優れている(同等の場合、二番目以降の重要属性で決める)
EBA(選言) :最重要属性で基準外の選択肢を排除(決まらない場合、二番目以降の重要属性で排除を繰り返していく)
②補償型規則(補償できるルール:ある属性が基準以下だとしても、他に優れた属性があれば補える)
MNA(勝率最大化):二択の場合、相手と比較し優れている属性が多い方を選択
AU(効用加算) :属性毎に重み付けし、その和で決める
AUD(効用差加算) :属性毎にある差を合計して決める
PS(プロダクションシステム利用):属性と効用値の全ての組み合わせの一つをルール化して決める
(8)過程決定計画図(PDPC:Process Design Program Chart)
①現状/初期状態をスタート、目的/結果をゴールとし、
スタートに必要な手段、今後起こりうる状況を付け加えていく
→行動しながら考え、行動する時に有効なツール
②スタートから最も楽観的なゴールまでのルート(最短距離)をまず作ってみる
③②に想定される他の分岐点から必要な対策、状況を別ルートに付け加えていく
→例:ハイジャック事件の発生→犯人逮捕(事件解決)まで
2.サーキュラーな問題解決
(1)二重傾聴(相手の話を聴く中で、例外、極端な主張があれば、確認していく作業)
(2)ピレネーの地図(未知に迷ったら、何もないより別目的の地図でもあった方がよい)
①分析する時間がないなら、過去のプランで進めてみる
②プランがあれば、とりあえずチームメンバの考えを結集できる
(3)症状処方
①取り除きたい問題をあえて意識的にやってみる
(例:身体的な手足の震えを意識して震わせてみる)
②ダブルバインドを肯定的に捉える
例:「自発的に不眠症を解決してください」と指示する
→解決しない場合:人からの指示に従っていないため、自発的には成功
→解決した場合:人からの指示だが、解決できたのは自分の力なので成功