2013年以前のブックレビューも随時追加中

新・戦争論 池上 彰・佐藤 優(文春新書)

 

1.中東
(1)アルジャジーラ
 ①最近はカタールの国策に則って報道
 ②広告代理店が全てサウジアラビア資本のため、サウジアラビア批判できない
(2)結婚
 ①サウジアラビアの王子は1万人いて、夫人を最大4人まで持てる。(離婚すれば実質何人でも可能)
 ②イランでは時間婚があり、結婚3時間、慰謝料3万円などのシステムあり
 →イスラムは売春だと石打ちの刑となるため、あくまで時間婚としている
(3)サウジアラビアの国家予算
 30年ほど前までは、国家予算=家計(サウジ家の私有財産)だった

2.北朝鮮
(1)残留日本人問題
 ①拉致問題とパッケージで、北朝鮮から解決要求されるかもしれない
 ②拉致された日本人を返すだけでなく、残留日本人も合わせて返す
 ③帰国希望の旧日本国籍所有者(1945年以降の残留日本人)が何万人もいるかもしれない
 →ドイツの場合、16〜17世紀にロシア移住したドイツ人がいたが、言語、宗教も異なるため、受入拒否
(2)労働市場で見れば魅力的(例:紳士服のAOKI)
 労働者給料が月8千円(疑似通貨:チョコパイでも支払可能)

3.日本と中国の戦争
(1)唐、元寇、明(秀吉の朝鮮侵攻)、日清戦争日中戦争
(2)戦争原因として朝鮮半島勢力争いが多いが、朝鮮との単独戦争は一度もない

4.航空母艦
(1)無人飛行機が発達すると、有人飛行機を飛ばす航空母艦不要になる可能性あり
(2)航空母艦から搭載機を発信させるカタパルト技術はアメリカ、イギリスのみ(非公開)

5.サイバーカスケード現象
(1)ネット上で偏向した意見に人々が流される現象
(2)日本、中国共に同じ傾向
(3)地方含め、マッチョ(右寄り)な政治家が当選しやすい
 →ただし、全体の世論(国民感覚)としては、ここまで右寄りでない

6.耐エントロピー構造(アーネスト・ゲルナー「民族とナショナリズム」)
 社会的分類(身長、体重、性別、肌の色など)のほとんどは重要でないが、
 その一部が極めて重要になった(耐エントロピー=偏見、偏り)時、社会的差別が作り出される

7.相続と平等(エマニュエル・トッド「移民の運命」)
(1)兄弟間でも相続を平等にするのが、真の民主主義
(2)兄弟間でも相続が平等な国は、世界でもフランスのパリ盆地と地中海沿岸のヨーロッパのみ