2013年以前のブックレビューも随時追加中

「心理戦」で絶対に負けない本 伊東 明+内藤 誼人(アスペクト)

 

1.リーダーの3条件

(1)自分で洞察する(将来を観る)ことができる
(2)説明する力のある(話の上手い)人(口下手はダメ)
(3)組織(チーム)全体を動かす力のある人

2.好機の捉え方
(1)好機は待つのでなく自ら作り出す
(2)普段から準備に努力していること

3.説得のテクニック
(1)フット・イン・ザ・ドア
 小さな要請から徐々に大きな要請をする際、いきなり大きくしてはいけない
 (例:被災者のために署名願います→署名と合わせて募金はお願いできませんか?)
(2)ドア・イン・ザ・フェイス
 最初にお願いする要請は、次にお願いする要請よりわざと大きくしておく
 (例:5万円貸して→それは無理だよね。じゃ、3千円だけでもダメ?)
(3)ロー・ボール
 ①受け入れやすい要請(受け取りやすいローボール)を出した後に、受け入れられない要請を飲ませてしまう
 ②最初にYesといった手前、引っ込みがつかない状況を相手に与える
 (例:オプションが無料付きの新車が格安→契約段階になって、実はオプションは別購入だと教える)

4.プラス思考とマイナス思考
(1)逆境に陥った時、跳ね返すような心の持ち方がプラス思考
(2)自分を甘やかし、何でも都合よく解釈する(悪い面から目をそらす)のは、間違ったプラス思考(「否定」)

5.勝利の5条件(孫子
(1)時期(時と場所)
 勝負する時期を見極めること
(2)戦略の使い分け
 組織の大きさ、相手との関係などで戦略は使い分け、変化させること
(3)付き合い方
 自分以外の上司、部下、同僚と心を合わせること
(4)準備
 何をやるか想定しておく(メモなど)
(5)(上司は)口を出さない
 上司は部下への訓言を一言で言えるように準備しておくこと(くどくど説教しない)

6.印象操作(impression management)
(1)場面や状況に応じた演技を行うこと
 自分が他人に与える印象を(本来よりもよいものへと)操作すること
 →例:リクルート活動中の学生が髪を切って、スーツを着る
(2)場面ごとに演技していようがいまいが、結果的に全て自分の一部

7.獲得的(acquisitive)印象操作
(1)好人物を装ったり、相手を思い通り動かそうとする操作
(2)取り入り(ingratiation)
 ①相手と同じ意見、態度を示すことでゴマをする(態度の類似性)
 ②最初から「そうです、そうです」と同調するばかりなのは無能
 ③最初は敢えて異議を唱え、徐々に譲歩(yielding)(相手に説得されたかのように見せかける)
 ④第三者から伝わるようにほめる、些細な批判を取り混ぜつつほめる、ほめられていないであろう点をほめる
(3)自己宣伝(self-promotion)
 ①成功した理由を自分の能力、長所だとアピールする
 ②自分が有能だということ自体、既に周知の事実である場合、アピールは逆効果

8.防御的(defensive)印象操作
(1)不祥事や失敗などの窮地(predicament)のダメージを最小限にする操作
(2)言い訳(account)
 ①否定(denial)
  自分がやった事も行為自体も認めない
 (例:自分はやってない、そのような事件があった事自体知らない)
 ②正当化(justification)
  自分がやったことは認めるが、行為の被害は認めない
 (例:自分の車はスピードは出していたが、誰にも迷惑かけてない=むしろノロノロ運転の方が周りに迷惑)
 ③弁解(excuse)
  自分がやったことは認めないが、行為の被害は認める
 (例:体調が悪くて遅刻した=被害のあった事は認めるが、自分は悪くない)
 ④謝罪(apology)
  自分の責任も行為の被害も認める
 ⑤回避(meta-accounts)
  言い訳自体しないための言い訳をする
 (例:ノー・コメント、現在調査中です)
 ⑥棄権(disclaimer)
  あらかじめ相手から言われそうな事を先回りする
 (例:専門家じゃないけど・・、間違ってるかもしれないけど・・)
 ⑦不利な条件アピール(self-handicapping)
  不可抗力をあらかじめアピールしておく
 (例:昨日はあまり寝てないんだ、今回は全然試験勉強してないんだよ)
  →結果がどちらに転んでもよいようにしておく
  →結果が悪いなら自分以外の条件のせい(例:やっぱり寝てないとダメだね)
  →結果が良い場合、(不利な条件でも)良かったという自己能力アピール(例:寝不足でも試験合格した)