2013年以前のブックレビューも随時追加中

ニュースの”なぜ?”は世界史に学べ 茂木 誠(SB新書)

1.選民思想

(1)(ユダヤ人は)神に選ばれた民であるという思想
(2)この思想があるため、ユダヤ人は異民族と融和しない文化がある
(3)ヨーロッパはキリスト教を採用したため、ユダヤ人は流浪の民となる
 ①定住できないため、不動産(土地)も農業もできず、
 ②金貸し屋(動産である金融、宝石)で生計を立てるしかない

2.キリストと神
(1)キリストは自分の事を神だとは言っていない
(2)ユダヤ人の大工の息子であるキリストが金曜に処刑されてから日曜に復活したと目撃証言があり、
  弟子のペテロやパウロにより神として祭り上げられた
(3)三位一体(人間の子供であるイエスが神と言える理由付け)
 ヤハウェ(父=神)とイエス(子)と聖霊(マリアのお腹にイエスを宿らせた力)は一体であるという解釈

3.ペテロとカトリック
(1)イエスの弟子12人(十二使徒)のリーダーがペテロ
(2)ペテロが公開処刑されたローマ皇帝ネロのスタジアムが、バチカンの丘にあった
 →公開処刑後、地下に葬られたが、そこに教会を建てた(サン・ピエトロ大聖堂
(3)カトリックとはユニバーサル(普遍的)、世界共通という意味

4.日本と天皇
(1)神道多神教と言いながら、一番偉いのは太陽の女神(天照大神)としている
(2)天照大神を祭っているのが三重県伊勢神宮
(3)天照大神の孫(ニニギノミコト)が天から九州の高千穂に下り(天孫降臨)、
  ニニギノミコトの孫が九州から大和に攻め込み、大和の国を倒して初代天皇神武天皇)になった
(4)天皇(精神的権威)と征夷大将軍(軍事的権威)の権力分離
 日本の治安が長期継続できている理由

5.西ローマとキリスト教
(1)政教分離教皇と皇帝)
 ①西ローマ崩壊後のフランク王国ゲルマン人)は少数派
 ②キリスト教信者のローマ人を統制するために、ローマ教皇の権威が必要

6.東ローマ(ギリシャ)、ロシアとキリスト教
(1)政教一致のため、皇帝独裁
(2)ロシア皇帝は東ローマの文化、体制を引き継いでいる
 ロシアの政治から民主主義は生まれにくい伝統
(3)200年のモンゴル支配の影響(独裁)が残っているのがロシア
(4)モンゴル支配から脱し、ポーランドカトリック)の伝統を取り入れたのがウクライナ
 →ヨハネ・パウロ二世(ローマ教皇)はポーランド

7.中国と天
(1)中国の古代思想で神(天)が皇帝を選ぶ(天命が下る)
(2)実質は時の権力者が皇帝となっているだけ(暴力による革命の繰り返し)
(3)今の中国には儒教仏教も残っておらず、個人主義と物欲のみ

8.ロシアとヨーロッパ
(1)ロシアの南下政策
 ①ウクライナ
  ウクライナは穀倉地帯があり、黒海への出口(クリミア半島)がある(から攻める)
 ②チェチェン
  カスピ海(油田がある)へのアクセスになっている(から攻める)
(2)ウクライナ
 ①民族問題
  ドニエプル川の東(ロシア移民)と西(ポーランドウクライナ人)で分割された状態
 ②エネルギー問題
  EUの一部(ドイツ、イタリアなど)は、ロシア天然ガスウクライナ経由でパイプラインで輸入(中東の油田より安い)
  →ウクライナがパイプラインのガスを全て抜き取られると困る
  →イギリス(自前で北海油田あり)とフランス(原発大国)にとっては関係なし  
(3)ギリシャ
 ①ロシアと文化(ロシア文字の元はギリシャ文字)、宗教(東方教会)が同じ
 ②地中海ルートの要所のため、ロシアにもヨーロッパにも財政支援がもらえる
 ③国ぐるみの粉飾決算財政赤字GDP3%以内を達成し、ユーロ導入(→その後ユーロ危機)

9.プロテスタントカトリック正教会東方教会
(1)カトリックは蓄財は罪
 南欧諸国(イタリア、スペイン、ポルトガルなど)、アイルランド中南米諸国は経済貧困国が多い
(2)プロテスタントは勤勉、資本主義を認めている
 アメリカ、ドイツ、イギリスなど(フランスはカトリックと中間)
(3)正教会は原罪の意識自体希薄(そのため、悔い改める事自体、希薄)
 ギリシャ、ロシアは勤労意欲が希薄

10.北アフリカ、中東(アラブ)の歴史
(1)19世紀はヨーロッパの植民地
(2)第二次世界大戦後、ソ連の経済援助(ただし独裁政権で貧困拡大)
(3)冷戦後はアメリカの経済援助(これも貧富格差から、イスラム原理主義の過激派が力を持ち失敗)
 北アフリカ移民の若者は仕事もなく、白人からも迫害され、居場所がなくなる(IS戦闘員に参加)
(4)イスラム
 ①血統重視がシーア派(イランのホメイニ師など)
 ②教典重視がスンナ派イスラム教の90%)
(5)オスマン帝国サウジアラビア
 ①オスマン帝国トルコ人)の支配に反発したアラブ人のサウード家イスラム国家(サウジアラビア)再建
 ②サウジアラビアイスラム原理主義の過激派が建国し、石油でアメリカによる安全保障を得ている
  →オイルマネーは国民に還元(教育、医療無償)する事で、国としても長期繁栄
(6)イラクと周辺国(ヨルダン、イラン、クウェート
 ①イギリスが分割し、アラブ人のハーシム家を国王擁立(国民に利益還元しないため失敗)
 ②親ソのフセインスンナ派)がイラク独裁(国民自体シーア派多数だが、国民に利益分配し、宗教、民族差別も撤廃)
 ③フセインがイラン侵攻(シーア派)したが、油田量の多いイラン勝利<イラン・イラク戦争
 ④フセインクウェート(イギリスの人口国)侵攻するが、多国籍軍勝利湾岸戦争
  →親ソだったのにソ連ゴルバチョフに見放される
  →アメリカの報道(油まみれの水鳥、少女の証言)共にウソ(情報操作、戦争プロパガンダ
(7)クルド人
 ①国を持たない3000万(ポーランド程度)の民族
 ②ISと戦っているため、アメリカが支援
(8)イラン
 ①1979年まで(パフレヴィ王朝)は親米、ホメイニ師以降、アメリカと敵対
 ②打倒ISのため、今はアメリカも経済制裁解除
(9)シリア
 唯一の親ロシア(アサド政権)

11.アメリカ
(1)民主党は金融資本(お金を貸して儲ける)
 中国に投資しているため、中国には友好的
(2)共和党は軍需資本(兵器を売って&使って儲ける)
 中国の脅威を煽って軍事費拡張しているため、中国には敵対的
(3)グラスルーツ(草の根保守)
 ①アメリカ南部、中西部の農村地帯に定住
 ②19世紀の西部開拓時代からのリバタリアン(国家不要の個人主義で政府、福祉、税金と全ていらない)
 ③モンロー主義孤立主義)に近く、アメリカ第一で海外戦争(海外の米軍基地)一斉不要の考え
(4)介入主義(福音である自由と民主主義を広める事が正義)
 ①メキシコはカトリックのスペインが先住民と混血して作った国
 ②ロッキー山脈の西側(カリフォルニア、テキサス)も以前はメキシコだった
 ③元々人口の少なかったテキサスに大量のアメリカ移民が移住し、アメリカ(テキサス州)として編入した
 ④第一次世界大戦以降、全ての戦争は独裁政権への介入
(5)黒船
 ①1853年当時、カリフォルニアに軍港はないため、
  東回り(大西洋〜インド洋)でカリフォルニアまでの航路確保がペリーが日本来航した目的
 ②1898年米西戦争でスペイン領土のキューバ、フィリピン、グアム、ハワイを奪う(全て、カリフォルニアへの航路上の国)
(6)ロシアとユダヤ移民
 ①中世以降、差別の少ないポーランドに移住したが、18世紀ロシアがポーランド併合
 ②ロシア政府はユダヤロスチャイルド家)から投資してもらい富を独占
 ③シオン(エルサレム)の議定書(富独占に対する民衆不満が向くのを恐れ、富の不均衡原因はユダヤにあると情報操作(デマを流す))
 ④ヨーロッパ(キリスト教国)にもポーランド(ロシア)にも住めなくなり、アメリカへ移住
 ⑤ロシアに恨みがあるユダヤ人は日露戦争の時、資金援助(ナチスユダヤ迫害の時は、日本が援助)
 ⑥ユダヤ人はロシア革命(レーニン、トロツキー)にも資金援助
 ⑦スターリンユダヤ資本で鉄道、油田開発したにもかかわらず、ユダヤ人を大粛清
 ⑧プーチンユダヤ財閥解体し、国営化

12.中国と韓国
(1)中国の反日運動は「国内の不満そらし」
(2)韓国の反日運動は「中国に嫌われないためのポーズ」