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楽しく学べる「知財」入門 稲穂 健市(講談社現代新書)

 

楽しく学べる「知財」入門 (講談社現代新書)

楽しく学べる「知財」入門 (講談社現代新書)

 

1.宗教と模倣

(1)ユダヤ、キリスト、イスラム教はそれ以前のゾロアスター教から大きな影響を受けている(一種の模倣)

2.知的財産制度と模倣
(1)知的財産制度に模倣は織り込み済み
(2)原則、権利がないものは模倣しても問題なし
(3)著作権を持つ側の権利保護とそれを利用する人の権利のバランスが重要

3.著作権と商標権
(1)自動的に発生し、かつ知的創造を伴うのが著作権
 ①単なる事実やアイデア、ありふれた表現(既に世の中に広く知れ渡ったもの)は知的創造と言えない
 ②アイデアだけだと自動的に権利が発生しないため、特許権を取得する事でアイデアの権利を主張する
(2)国が権利を与える事で、営業活動を伴うのが商標権
 商標とは他と区別するための印、ブランドの事
(3)原則、著作権が発生しないもの
 ①短いフレーズ(キャッチコピー)→例:「倍返しだ!」
  ただし、俳句・短歌は著作権あり
  音で商標登録は可能(ファイト〜、イッパーツ」「お〜いお茶」)
 ②映画、TV番組タイトル、記事の見出し
 ③アルファベット利用のロゴ(アルファベット自体、どうアレンジしても知的創造ではなく商標止まり)
  東京オリンピックの旧エンブレム(Tをアレンジ)

4.パクリとアレンジ
(1)オリジナルのアイデア自体を利用すること自体はOK
(2)オリジナルのアイデアを利用した結果が、本質的な特徴を直接表現しているとNG
(3)小説のストーリー構成、人物設定だけであれば、具体的表現として外部に出てこないアイデアのため、コピーしてもOK
(4)早稲田の校歌「都の西北」は米イェール大校歌「Old Yale」のパクリ
 →米イェール大校歌は1837イギリスの「The Brave Old Oak」のパクリ
 →更に70年前に元歌の「Heart of Oak」があった(原曲を辿りだすとキリがないケース)

5.パブリシティ権
(1)有名人は自己の氏名や肖像を利用してビジネスができる
(2)有名であっても、人以外のモノや動物(ペットなど)はパブリシティ権は認められない

6.著作権フリーとなるケース(厳密には35通りあり)
(1)私的利用範囲での複製(社内業務でのコピーはNG)
(2)写り込み(ネット公開した写真の背景に写り込んでる程度ならOK)
(3)引用(ただし、美術、写真はクレームが生じる可能性有)
(4)一般公開済の美術、建造物(例:公園にある銅像

7.CCライセン(クリエイティブ・コモンズ・ライセンス)
 創作者側からあらかじめ何パターンかのライセンス条件提示があり、それを守れば自由に利用する事がOKとなる

8.商標
(1)他の商品やサービスと区別する事が目的(目印、ブランド化)
 発明や創作物の保護が目的ではない
(2)指定されたサービスの範囲内でのみ登録される
 英会話のAEONと流通のAEONは別サービスのため、それぞれの登録が有効
(3)人名・法人名も登録可能
 ①著名かつ本人(もしくは遺族)承諾していればOK(長嶋茂雄、加護亜衣など)
 ②大学名の略名(例:山大は山口大学の略称で登録済のため、山梨大学は梨大を選択)
(4)商標先取りビジネス
 ①上田育宏(2014年頃から大量出願している元弁理士
 ②ただし、出願手数料をほとんど払っていないため、実際はほとんど保有していない
(5)iPhone
 ①先行登録していたアイホン社がアップルから受取るロイヤリティは1億円定額と思われる
(6)ライオン
 LIONだけでなくNO17(上下反転するとLION)も登録
(7)カシオ(G-SHOCK)
 AからZまでのSHOCKを登録済

9.特許
(1)審査請求
 ①出願してから3年以内に審査請求しないと審査自体行ってくれない
 ②ただし、審査請求料は最低でも12万と高額
(2)日本の特許
 ①江戸時代は特許(新製品)自体ご法度(1721の新規法度では、あらゆる新製品禁止)
 ②1885に専売特許条例公布(特許第一号は船底等に塗る錆止め塗料:柿渋、生姜、酢など配合塗料)
(3)休眠特許
 2013年現在、日本の特許約135万件のうち、実際には使われていない特許が約半数