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宗教の秘密 苫米地英人(PHP研究所)

 

宗教の秘密

宗教の秘密

 

1.宗教とは

(1)ラテン語でreligio「再び+結びつける」=神がもう一度、人を神の世界に結びつけてくれるもの(唯一神との契約)
(2)宗教は恐怖による言語束縛(神を信じない者は地獄へ落ちるよ)で支配する

2.言語束縛
(1)世界を言葉で定義、説明しようとしている限り、言語化された世界の範囲に束縛される
(2)禅では言語束縛(雑念)を外すために、自分の頭の想念から言語を消し去り、イメージだけあるがまま受け取る(覚醒)
(3)密教では言語束縛(雑念)を外すために、自分の頭の想念をイメージ(例:曼荼羅)だけで満たすようにする

3.キリスト教
(1)キリストの意味
 油を塗られし者=救世主(メシア)
(2)三位一体
 父=神、子=イエス、聖霊は全て同じ(=神)という考え
(3)目からうろこ(パウロの回心)
 キリスト教弾圧者のパウロが落馬で盲目となったが、キリスト教徒の祈りで目からウロコが落ち、眼が見えるようになった
(4)パウロのキリスト教再構築
 イエスは「隣人を愛せよ(苦しい中でも人間性を失うな)」としか言っていないが、パウロは「信仰(神を信じること)すれば救われる」と再構築
(5)生誕日(12月25日)の謎
 当時ローマ帝国キリスト教より力のあったミトラ教の太陽神ミトラスの生誕日(冬至)を取り入れた
(6)キリスト教
 カトリック(約10.8億人)、プロテスタント(約3.5億人)、ギリシャ正教(約2.2億人)、東方諸教会(約3.9億人)
(7)新約(新しい契約)
 イエスが自分の命を差し出した行為を後世の人が神と契約をしてくれたと(勝手に)解釈した(イエス自身は「神と契約した」とは言っていない)
(8)イエスの救済の論理(ユダヤ教よりひとつ上の価値)
 神は一方的かつ無条件に万人を愛している

4.仏教
(1)絶対神ア・プリオリ性)の否定
 釈迦自身は、バラモン教の言うブラフマン(梵)を否定し、世の中は全て他との関係性(縁起)で成り立っていると説いている
(2)神=如来の概念
 大乗仏教の時代になると、釈迦=仏陀として神格化される

5.お金教(通貨発行権の争い)
(1)イギリスの国王とバンカー(両替商)との戦い
 ①マグナカルタ(1215年)ではバンカー優位
 ②百年戦争(1337〜1453年)、薔薇戦争(1455〜1485年)では国王優位
 ③イギリス革命(清教徒革命)(1642年)のバンカー勝利で終止符
(2)アメリカのバンカー
 ①1835年ジャクソン大統領暗殺未遂(第二合衆国銀行を廃止しようとしたため)
 ②1865年リンカーン大統領暗殺(政府独自通貨グリーンバックスを発行したため)
 ③連邦準備銀行自体、アメリカ政府の監査権なし
  →準備預金制度のもと預金額の何倍も貸出ができ、そこから金利を得ている
(3)バンカーが戦争を仕向ける理由
 ①国(国王など)の権力である国の通貨を無価値にできる
 ②戦争になれば自国も他国もお金を借りるため、バンカーの一人勝ち(東西冷戦も西側の銀行がソ連に貸し付けていた)
(4)TPPにおけるアメリカの本当の狙い
 農業でなく、現在の日本の国営である行政、金融、医療にアメリカ企業を参入させたい

6.お金の使い方
(1)自分で消費し切れない余り物を活かすもの(例:自前で採れたお米や魚が余った分だけをお金とする)
(2)余剰価値の自己増殖的な運動体(マルクス
(3)銀行は、GDP分(企業が生み出した付加価値)だけお金を発行するべき
(4)元本がないのに金利を取ってはいけない
 ①BIS(国際決済銀行)規制では、預金100万に対し、貸付可能額は800〜1000万まで(この場合、100万を超えた分の貸付には金利を取ってはいけない)
 ②預金100万(元本)を貸し出す時に金利を取るのはよいが、元本がなくなっても貸し出す行為(信用創造)自体が詐欺