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座右のゲーテ 齋藤孝(光文社文庫)

 

座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本 (光文社新書)

座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本 (光文社新書)

 

1.抽象的思考に偏執してはいけない

(1)具体的かつ本質的なものに近づくような思考法が一番良い
(2)本質を求めようとすると、抽象的思考に陥りやすい

2.主観偏重のマイナス
(1)個性的の意味を勘違いすると、他人や外の世界を知らないまま独学、我流がよいと勘違いしてしまう
(2)独学、我流だけでオリジナリティ(個性)はできない
(3)どんな天才(手塚治虫モーツァルトなど)も幼少期に膨大な基本(教養)を学びきった上で個性が発揮されている(基本のない「ヘタうま」はただのヘタ)
(4)ポストモダンカウンターカルチャーの勘違い
 ①過去を全否定して全く新しいものを創る事と、過去を知らないままいきなり作り出すのは全く異なる
 ②過去を知り学んだ後でないと、新しいものは生み出せない
 ③全否定して切り捨てるのでなく、一旦全肯定して取り込んでみてから「自分らしさ」を作ればよい

3.教科書の本来の意味
 テキストとはそこから興味・関心が生まれてくる素材

4.儀式
(1)社会生活の冠婚葬祭や会社の定例行事など全てその組織体の区切り、アクセントだと思えばよい
(2)儀式がないと、日頃の退屈な社会生活を紛らすことができない

5.邪魔の効用
(1)邪魔、トラブル、失敗した時こそ徹底的に考え抜くと仕事の質が高まる
(2)邪魔が入ることで思わぬものが生まれる場合もある
(3)邪魔が入ったら、一旦寝かせてみるとよい

6.青春の過ちを老年に持ち込まない
(1)青春期にはその時しかできないあやまちをしておくとよい
(2)青春期に起こしたあやまちは老年になっても引きづってはいけない(区切りをつけておけ)
(3)人生のステージ毎にやるべきことをやっておくのがよい(老年になれば老年の欠点がどうせ出てくるのだから)
(4)区切りをつけるとは諦めるということ(あの時こうしておけばよかったと思わないこと)

7.年をとったら、より多くのことをする
(1)年をとると過去の事ばかり振り返りたくなるため、若い時以上により多くのことで自分を常に更新すること
(2)仕事以外のやりたい事を多くして、人生を楽しむのが楽隠居