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「すまいりブックレビュー」(2013年まではこちら)

観想力 三谷 宏治(東洋経済新報社)

 

観想力 空気はなぜ透明か

観想力 空気はなぜ透明か

 

 1.常識を破壊する

(1)空気はなぜ透明か

 ①そもそも人にとって透明なものを空気と呼んでいるから

 ②実際の空気(大気)は可視光線の波長のみよく通し(透明)、人の目にも色として見えるだけ

(2)東京はなぜ低層か(居住地区含め高層化されないのか)

 ①幹線道路率が低い(マンハッタンが38%に対し、数%しかない)から(幹線道路もない所に高層ビルは建てられない)

 ②過剰な私権保護により区画整理事業が進まないため

 ③職場と住居は分離すべしという政策の錯誤を放置しているため

(3)イワシはなぜ高くなったのか

 ①大衆魚(イワシ、アジ、サンマ、サバ)の数は周期的に変動しているため

 ②1950〜1990の40年間で最も多い大衆魚はサンマ→サバ→マイワシと交替している(ただし、原因は不明)

(4)クラスに同じ誕生日の人はいるか

 ①クラス40人なら40/365だから約9分の1と考えるのは間違い

 ②40人だと約9割の確率で1組以上同じ(20人なら約5割)

 ③32人以上なら2組以上の確率が1組だけより多くなる

(5)地球は温暖化しているか

 ①1910〜1940の30年間と1976〜(現在)の区間のみであれば温暖化

 ②100万年の単位で見れば、約10万年のサイクルで氷河期を繰り返している

 ③現在は間氷期(暖かい時期)だが、急速に寒冷化しつつある途中

 ④300万年前から気象変動は激しくなっており、寒冷化傾向が強い

(6)平均値の罠

 ①ベル型(へ型)でも分散・バラバラだと、平均値付近には対象がほとんどいない

 ②べき乗分布(L型)はパレートの法則に従い、上位20%が小数でも影響力が大きい

 →国民所得分布、英単語出現頻度、ノーベル賞国別受賞者数、Webページのリンク数など

(7)働きアリの法則

 ①上位2割を取り除くと、代わりに次に働くアリの労働が増えるが、働かないアリは何があっても働かない(よって、生産性は少し落ちる)

 ②働かないアリは働きアリより広範囲にウロウロとすることで、新しいエサ場の発見に貢献している(ただし、ウロウロするだけ)

(8)ヒューリスティック・バイアス

 ①利用可能性(思い出しやすいものを起こりやすいと誤認)

 ②代表性(典型事例を他の事例にも当てはめてしまう)

 →「三度目の正直」「二度ある事は三度ある」何れも間違い

 ③係留(最初の印象にこだわり過ぎ、推測が当たると過信してしまう)

 →船が最初に錨を下ろす(係留)した地点から遠くまで動けないのと同じ

(9)オールラウンドプレーヤーのコツ

 ①幅広く学ぶには、効率が重要(重要そうなものをいかに早く見極めるか)

 ②形勢不利な場合、混沌(カオス)に引きずり込む

 

2.正しい視点を持つ

(1)相対シェア1.7の壁

 二位以下でも一位との相対シェア1.7以下であれば、自分より下位を叩いてシェアを叩くとよい

(2)高シェア維持の成功3パターン

 ①残存型成功(例:PHSウィルコム

 ②ニッチ集積型成功(例:カシオの電子辞書)

 →市場自体が細分化(特定用途、ニーズ向けにそれぞれ拡大)したため

 ③キーデバイス型成功(例:CPUのインテル、プロジェクター用液晶パネルのエプソン

(3)日本メーカー生き残り条件

 ①製品自体の難しさ(摺り合わせ開発)

 ②キーデバイスが進化途上でかつそれを内製化

 

3.高い視座から眺める

(1)市場統合による逆転(例:マイクロソフトのOffice)

 ニッチ市場(ワープロ表計算、プレゼンテーション)で負けていたため、市場統合(OS共通のGUI、Officeという統合ブランド)した

(2)顧客と共に老いない(例:少年ジャンプ)

 新人作家発掘型で小学生にニーズを集中し続ける戦略