2013年以前のブックレビューも随時追加中

ザ・ビジョン 江上 隆夫 (朝日新聞出版)

THE VISION あの企業が世界で成長を遂げる理由

THE VISION あの企業が世界で成長を遂げる理由

 

1.Amazonジェフ・ベゾス
(1)ビジョン
 The Everything Store(すべてのものが買えるお店)
(2)ミッション
 地球上で最もお客様を大切にする企業であること
(3)具体的なサービスの拡張
 ①Amazon Cash(クレジットカードを持たない人がインターネット通販できる)
 ②Amazon Prime(購入前の試着、返品無料)
 ③Amazon fresh(生鮮食品配送)
 ④Amazon Fire TV(家庭にエンターテイメントを配送)
(4)結果
 ①2018年の米国内eコマースシェア49%
 ②米国内プライム会員数8500万以上

2.Patagonia(イヴォン・シュイナード)
(1)ビジョン
 The Responsible Company(社会や環境に対する責任を全うする企業)
(2)ミッション
 最高の製品を作り、環境に与える悪影響を最小限に抑える
 ビジネスを手段として環境危機に警笛を鳴らし、解決に向けて実行する
(3)ビジネスの基準
 地球にとって正しいかどうか
 →Patagoniaの株主は地球

3.良品計画無印良品>(堤清二田中一光
(1)無印良品の意味
 ブランドはない(無印)が、良い品であること
(2)ビジョン
 日本の基本から世界の普遍へ
(3)コンセプト
 これでいい(「これがいい」ではない)
 →お客様が満足を持って選択する
(3)デザイン(原 研哉)
 ①ミニマルで高品質
 ②empty(空っぽ)
 →西洋でいうsimple(合理性のある簡素)ではない
 →自由度の高い製品

4.富の集中と格差
(1)世界の富の82%を1%の富裕層が独占し、世界の50%の人は富が増えなかった(2017年 Oxfam)
(2)世界で最も豊かな8人で、所得の低い36億人と同じ富を持つ
(3)ビル・ゲイツの総資産921億ドル(10兆円以上)は、ギリシャの国家予算とほぼ同じ
(4)2018年7月時点での総資産トップはジェフ・ベゾスの1551億ドル

5.理念の定義
(1)アイデンティティ
 あるべき自己像
(2)バリュー
 優先すべき価値基準
(3)コンセプト
 新しい実行原理
(4)ミッション
 達成すべき取り組み
(5)ビジョン
 最高の公的未来像

6.理念を「弓を射る人」でまとめて表現する
(1)弓を射る人(というアイデンティティを持つ自分)が
(2)心構え(というバリュー)のもと
(3)強力な弓(というコンセプト)を使って
(4)矢(というミッション)を
(5)的(というビジョン)に向けて放つ

人生は攻略できる 橘 玲(ポプラ社)

人生は攻略できる

人生は攻略できる

 

1.知性とビッグファイブ
(1)知性:頭がいいか悪いか
(2)経験への開放性:おもしろいか、つまらないか
(3)堅実性:信頼できるか、あてにならないか
(4)外向性:明るいか、暗いか
(5)同調性:みんなと一緒にやれるか、自分勝手か
(6)安定性:まともか、神経質か

2.「好きな事」を仕事にする方法
(1)トライ&エラー
 最初の仕事や会社を自分が好きかどうかは、試してみないとわからない
(2)1万時間の法則
 ①同じ仕事(同じ会社)を1万時間できた=好きな仕事だと言える
 ②目安は1日仕事10時間として、1万時間は約3年
  →約3年仕事が続けられないなら、自分にあってないという事
(3)「好きな事」と「得意な事」両方あるなら、「得意な事」を仕事にする
 「得意な事」は「好きな事」よりは好きでないかもしれないが、大嫌いでもないはずだから

あなたと子どものお金が増える大金持ちの知恵袋30 菅井 敏之(集英社)

あなたと子どものお金が増える大金持ちの知恵袋30 (単行本)

あなたと子どものお金が増える大金持ちの知恵袋30 (単行本)

 

1.72の法則
(1)72/金利=元金が倍になる年数
(2)貯蓄で金利2%だと72/2=36、元金が倍になるまで36年かかる
(3)借金で金利18%だと72/18=4、借りたお金が4年で倍になってしまう

FACTFULNESS ハンス・ロスリング(日経BP社)

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

 

1.分断本能
(1)人は何事も2つのグループに分けて考えたがる(いわゆる二項対立)
 良い/悪い、正義/悪、自国/他国、男性/女性等
(2)「分断」を示すような言葉に騙されないこと
 分断された重なりのないグループと思いがちだが、実際は重なりがあり、その中間部分に大半の人がいる場合がある
 →極端な例を探すより、まず大半の人がどこにいるか探すこと

2.ネガティブ本能
(1)悪いニュースは広まりやすい(良い出来事はニュースになりにくい)
(2)「悪い」と「良くなっている」が並行して進む変化もある
(3)長期的に良くなる(ゆっくりとした進歩)より、短期的に悪い事が起きるとが気づかれやすい
(4)悪いニューズが増えたのは、これまでより監視の目が届くようになった(良い事)かもしれない
(5)減り続けている悪いこと
 ①100万人あたりのHIV感染(1996年549人→2016年241人)
 ②有鉛ガソリンが合法な国(1986年193カ国→2017年3カ国)
 ③核兵器(1986年6万4先発→2017年1万5先発)
 ④大気汚染(一人あたりの二酸化硫黄排出量)(1970年38kg→2010年14kg)
(6)増え続けている良いこと
 ①安全な飲料水(1980年58%→2015年88%)
 ②1歳児の予防接種(1980年22%→2016年88%)

3.直線本能
(1)グラフの直線はまっすぐ続くだろうという思い込み(直線はいつかは曲がりだす)

4.恐怖本能
(1)恐怖でパニックとなり、正しく考えられなくなること
(2)リスクは質×量(危険度×頻度)で計算すること

5.過大視本能
(1)一つの大きな数字(例:420万人)だけで大きい、重要だと判断しないこと
(2)複数の数字を見つけて比較し、相対的に見ること
(3)複数の項目があるなら、そこから大きな項目を探し、80/20ルールが使えるか検討する

6.パターン化本能
(1)パターン化(分類)できるという思い込み
(2)同じ集団の中にある違いを探す(同じと思っている集団の中に違いがある)
(3)違う集団の間の共通項を探す(違うと思っている集団の間に共通点がある)
(4)ある集団でのパターンが他の集団でも当てはまると思い込まないこと
(5)過半数の意味合いを正確に把握すること(51%も99%も過半数だが、実際は大きく異なる)

7.宿命本能
(1)宿命(持って生まれたもの)は変わらないという思い込み
(2)ゆっくりとした変化、小さな進歩が数十年で大きな変化をもたらす

8.単純化本能
(1)数値化(データ化)という単純化により、見落とすこともある(例:個人の自由、進歩は数字で測れない)
(2)専門知識という便利なツール(トンカチ)を持っていると、どんな問題にも無理やりそのツールを使いたくなってしまう(なんでもクギに見えてしまう)

9.犯人探し本能
(1)犯人(人)でなく原因を探そう(誰かを責めても問題は解決しない)
(2)ヒーローでなく良い仕組みに目を向けよう

10.焦り本能
(1)焦らない(今すぐ決めないといけないようなことはめったにない)

すいません、ほぼ日の経営。 川島 蓉子/糸井 重里(日経BP社)

すいません、ほぼ日の経営。

すいません、ほぼ日の経営。

 

1.事業
(1)予算の名前もつかなくても、プロジェクトは始めてしまう
(2)ただし、それが本当に「おもしろい」かどうか発起人は深掘りしておくこと
(3)マーケティングもしない(その代り、しつこく自問時し続ける)

2.人
(1)労働時間と良いアイデアの数は比例しない
 ①机に長く向かえば必ずアイデアが出るとは限らない
 ②集中しない方が良い考えが生まれることもある
(2)インディペンデントデー(毎週金曜、一人で考える)
(3)社員全員がルールを守るだけの会社は目指したくない
(4)個別のハンデ(例:子育て)ある人に対し、他の人が意地悪しない会社にしたい(社会と同じ)
(5)「誠実」を大事にする(誠実とは姿勢のこと)
 ①貧しくても、不勉強でも誠実であることはできる
 ②「誠実」であること=「信頼」を得る方法(ただし、それが目的となってはいけない)
(6)「貢献」を大事にする(貢献とはよろこびのこと)
 ①人を喜ばせ、自分も喜ぶことができる、新しい機会を得る
 ②ドラッカーの言う「成果」と同じ

3.組織
(1)行動指針「やさしく、つよく、おもしろく」
 ①やさしく
  相互に助け合い、生かす(これがないと会社が社会に受け入られてもらえない)
 ②つよく
  アイデアを現実に変える力
 ③おもしろく
  新しい価値を生み出す力