2013年以前のブックレビューも随時追加中

超一流のクレーム対応 谷 厚志(日本実業出版社)

どんな相手でもストレスゼロ!  超一流のクレーム対応

どんな相手でもストレスゼロ! 超一流のクレーム対応

 

1.クレーム対象の種類(大きく3つ)
(1)商品やサービス
(2)接客やコミュニケーション
(3)お客様の思い込み、勘違い

2.対応の5ステップ
(1)まずはお詫び
(2)お詫びと合わせて共感(の言葉を伝える)
(3)事実、要望確認
(4)解決策提示
(5)魔法の言葉(お礼)

3.お詫びする
(1)ただし、対応初期段階では通常原因不明なので、限定謝罪(全面謝罪はできない)
(2)お客様が怒っている、残念、悲しい気持ちになった事実に対してのみ、まずは謝罪する

4.共感する
(1)お詫びとセットで、相手の気持ちに寄り添う言葉を伝える(対立から対話できる関係にするため)
(2)自分が同じ事をされたらどう感じるか考えて伝える

5.事実、要望確認
(1)話を聴く姿勢を見せる(もう少し詳しくお話を聴かせてください)
(2)メモを取る(自分が聴く立場に強制的になることで、対話の主導権を握る)
事実(お客様の発言)と意見(自分が解釈、判断した事)を区別してメモは取ること
(3)要望確認(お客様の今一番お困りになっているのは何でしょうか?)

6.解決策提示
(1)提示前にお客様から許可を得る(ここから私がお話してもよろしいでしょうか?)
(2)そもそも100%の解決策は提示できない(その前に互いにどこまで分かり合えるかが重要)
(3)解決策は3回説明すること(それが説明責任)
 ①まず、わかりやすく説明する
 ②背景や根拠を伝える
 ③過去の事例も伝える
(4)提示後にも了承を得る(○○のような事で、ご了承頂けますでしょうか?)
(5)できることとできないことを明確にする
 例:購入した製品で怪我をした:不良品交換と治療費は払う、高級品交換と慰謝料は払わない
 ①できない事は最初に伝え、最後にできることを伝える
 →すぐに「できない」とは言わず、できない理由をまず伝える、さらに代替案もあるとよい
 ②できることが実質何もない場合でも、最後に謝罪の言葉は添える

7.魔法をかける
(1)最後はお礼の言葉で終わること(お詫びではない)
(2)お礼は3回(解決先提示前の許可を得た時、提示後に了承を得た時、クロージング時)

東大教養学部「考える力」の教室 宮澤 正憲(SBクリエイティブ)

東大教養学部「考える力」の教室

東大教養学部「考える力」の教室

 

1.コンセプト(concept)
(1)con(しっかりと)+capere(つかまえる)の意味
 表面的で移ろいやすいものでなく、本質、普遍性のあるものをつかまえること
(2)シンセシス(synthesis=統合化)
 集まった多くの情報(インプット)を1つのコンセプトに集約、昇華させる

2.考える(思考)の4モード
(1)俯瞰
 客観、視野を広げる、一旦立ち止まる
(2)分類
 分ける、整理、シンプルにする
(3)掘り下げ
 背景、根源、本質を見つける
(4)混合
 過去(の歴史)、その他(無関係と思えるもの)を組み合わせる

問題解決大全 読書猿(フォレスト出版)

問題解決大全

問題解決大全

 

1.リニアな問題解決
(1)佐藤の問題構造図式
 原因として漠然と考えていたもの(例:飲酒運転)から、制約条件、外乱を整理
 (例:飲酒運転したら事故→制約条件:初めて通った道、外乱:雨降り)
(2)ティンバーゲンの4つの問い
 対象内部の仕組みとプロセス・パターン、

 対象外部(全体)の仕組みとプロセス・パターンを考える
(3)フェルミ推定
 ①例1:シカゴの人口
  全く知らないものでも桁数が合えばよい場合
  100万〜1000万人と推定するなら、相乗平均で10の6乗×10の7乗のルートだが、
  √10=ざっくり3として、300万人としてよい 
 ②例2:トイレ利用時間
  自分が1日平均10分トイレ利用しているなら、全員が同じと考える
(4)コンセプトマップ
 ①キーワードを書き出し、キーワード間をリンクしていく
 ②リンクした関係もシンプルな言葉で付け加える
  ・is/are:AはBである
  ・in:AはBの中にある
  ・with:AにBが伴う
  ・kind of:AはBの一種である
(5)自由主義パラドックス
 他人に迷惑をかけない限り何をしてもよい個人の権利と

 複数人(2人以上)が望む意向の両立はできない
(6)機会費用
 ①選んだこと(機会)とすると得られたであろう利益(価値)のこと
 ②選択した行動の損害は大きく、選択しなかった行動の利益は小さく考える傾向

 ③限界効用逓減の法則(回数が増えた時の満足度低下)も考慮する
  例:一杯目のラーメンは一番美味いが、二杯目以降だんだんと満足度は低下
 ④選択者が大きくなると、選択した事自身が、その後の行動も変えてしまう
  例:事故を減らすため、自動車に安全装置をつける→安全装置で死亡率低下

    →死亡しないとわかると運転が荒くなり、事故率は増える
    →安全装置を付けることで、安全運転するという価値(機会費用)を失った
(7)意思決定規則
 ①非補償型規則(補償できないルール:ある属性が基準以下だと、他の属性がどれだけ優れていても補えない)
  DOM(優越性):全ての属性が他の選択肢より優れているもしくは同等
  CON(連言) :基準値のある属性全て合格している
  DIS(選言) :基準値のある属性のうち1つでも合格している
  LEX(辞書的):最重要属性が他の選択肢より優れている(同等の場合、二番目以降の重要属性で決める)
  EBA(選言) :最重要属性で基準外の選択肢を排除(決まらない場合、二番目以降の重要属性で排除を繰り返していく)
 ②補償型規則(補償できるルール:ある属性が基準以下だとしても、他に優れた属性があれば補える)
  MNA(勝率最大化):二択の場合、相手と比較し優れている属性が多い方を選択
  AU(効用加算)  :属性毎に重み付けし、その和で決める
  AUD(効用差加算) :属性毎にある差を合計して決める
  PS(プロダクションシステム利用):属性と効用値の全ての組み合わせの一つをルール化して決める
(8)過程決定計画図(PDPC:Process Design Program Chart)
 ①現状/初期状態をスタート、目的/結果をゴールとし、

  スタートに必要な手段、今後起こりうる状況を付け加えていく
  →行動しながら考え、行動する時に有効なツール
 ②スタートから最も楽観的なゴールまでのルート(最短距離)をまず作ってみる
 ③②に想定される他の分岐点から必要な対策、状況を別ルートに付け加えていく
 →例:ハイジャック事件の発生→犯人逮捕(事件解決)まで

2.サーキュラーな問題解決
(1)二重傾聴(相手の話を聴く中で、例外、極端な主張があれば、確認していく作業)
(2)ピレネーの地図(未知に迷ったら、何もないより別目的の地図でもあった方がよい)
 ①分析する時間がないなら、過去のプランで進めてみる
 ②プランがあれば、とりあえずチームメンバの考えを結集できる
(3)症状処方
 ①取り除きたい問題をあえて意識的にやってみる

 (例:身体的な手足の震えを意識して震わせてみる)
 ②ダブルバインドを肯定的に捉える
  例:「自発的に不眠症を解決してください」と指示する
    →解決しない場合:人からの指示に従っていないため、自発的には成功
    →解決した場合:人からの指示だが、解決できたのは自分の力なので成功

「いい人」をやめる7つの方法 緒方 俊雄(主婦の友社)

「いい人」をやめる7つの方法

「いい人」をやめる7つの方法

 

1.分析
(1)いい人は依存性/強迫性パーソナリティ障害(DSM-5での分類)
 ①依存性パーソナリティ障害(自分で決められない、Noと言えない、メランコリー親和型
 ②強迫性パーソナリティ障害(強迫的に完璧を求める、執着気質)

2.原因
(1)厳しい/不安定な母親、厳しい父親、けんかばかりしてる両親
 厳しい両親だと、何でも完ぺきを求める子供が育つ
(2)甘からず、辛からずで育てられなかった
 極端に甘やかす、厳しくするといった不安定さが子供に不安感を与える

3.解決
(1)「変わる」のでなく「気づく」
 大人になるまでに作られた性格を変えようとするのでなく、今まで知らなかった自分に気づくこと
(2)効率重視の生き方をやめる
 忙しく(心を亡くす)複数の事を同時に行うより、一つのことを深く味わうこと
(3)欠点も含めた自分を受け入れる
 ①欠点があってもいいと開き直るのでなく、完全な人間でなくても意味があると考えること
 ②自分を受け入れられれば、他人も受け入れられる(互いに協調する事に意味がある)
 →受け入れた器の大きさが幸せの大きさ(自分<家族<周囲の人と器を広げると、幸せも大きくなる)
(4)アイデンティティを確立する(何のために生きるのか決める)
 例:アンパンマンのマーチやなせたかし・詩)
  「何のために生まれて 何のために生きるのか こたえられないなんて そんなのいやだ」
  →アンパンマンの答え「みんなの夢まもるため」

童話でわかるプロジェクトマネジメント 飯田 剛弘(秀和システム)

PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント

PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント

 

1.段取り
(1)ファスト・トラッキング
 ①前後の依存関係が少なければ、前の作業が完了する前に後の作業を開始する
 ②依存関係がなければ、同時に並行して作業を進める
(2)やらないことリストを「具体的に」決める
 例:「寝ないで仕事する」は無理→「日中は一時間以上は休憩しないで仕事する」がより具体的で実行可能な計画
(3)やることリストを「具体的に」決める
 曖昧だと計画倒れ(いつまでも計画段階から実行段階へ移行できない)

2.意見交換の解決法
(1)対決・対峙
 互いに一致点、相違点を見つけ、今回の目的にあう最適解を納得する(Win-Win
(2)妥協
 互いに譲歩した上で合意。Win-Winに近い
(3)強制
 一方的に押し付ける。Win-Lose
(4)鎮静
 なんとなく話し合い、妥協した暫定対応。再コンフリクトあり(Lose-Lose)
(5)撤退
 どちらか一方があきらめ、話し合い拒否。再コンフリクトあり(Lose-Lose)

3.トリガーポイント
(1)何が起きたらリスク対策を実行するか決めておく
 影響度、発生確率でリスクを事前に洗い出しておくのが前提 

4.失敗の原因分析(ワイナーのモデル)
(1)自分で解決でき、必ずあるもの
 例:自分の能力不足
(2)自分で解決でき、いつも変化するもの
 例:自分の努力不足
(3)自分で解決できず、必ずあるもの
 例:仕事自体が難しすぎた
(4)自分で解決できず、いつも変化するもの
 例:運がなかった
 →(2)以外に分析できても(2)で考え直すと成功しやすい